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838 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/23(月) 20:03:27 ID:h+GGaiAu0
友人の話。

高校生の時分に仲間三人で、山に星を見に行った帰り道のことだ。
ダラダラと駄弁りながら歩いていると、トンネルが見えてきた。
「そういや、ここって出ると噂されているよな」
一人が面白そうにそう言う。

「行きも通ったけど何も出なかっただろうが」
そう詰まらなそうに返すもう一人の声を聞きながら、暗いトンネルに入った。
古い隧道であまり整備もされていないので、中に灯りはない。
懐中電灯を頼りに足を進めていく。

・・・何かおかしい。
それほど長くないトンネルの筈なのに、何時まで経っても向こうの出口が
見えてこない。
他の二人はそのことに気が付いているのかいないのか、中に入ってからは
ずっと黙りこくったままだ。

やがてトンネルが二股に分かれた場所で立ち止まった。
古い煉瓦とコンクリートで作られた壁の奥は真っ暗で、照らしてみても
その先が見えない。

「ここ、一本道だったよな」
自分の声が震えているのがわかる。


839 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/23(月) 20:04:32 ID:h+GGaiAu0
迷わず引き返すことにした。
来た時と同じように、かなりの距離を歩いた。
入ってきた口が見えると、思わず駆け出していたという。
無事に外に出られた時には、安堵のあまりへたり込みそうになった。

「もうこのトンネルは通りたくない」三人の意見はそれで一致した。
仕方なく横手の笹が茂る斜面を、苦労しながら麓まで降りたのだそうだ。

「その後も何度かそこを通ったけど、あんなことはもう無かったな。
 アレって一体何だったんだろう?」
不可解だという表情で、彼はこの話をしてくれた。

そんな体験した後も何度かそこを通ったという彼ら自身が、私には一番不可解に思えたのだが、口に出して言うようなことはしなかった。

2009.11.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 怪異

たたら様

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819 :元登山者 :2009/11/22(日) 18:15:16 ID:NVak+ldI0
田舎で聞いた話です。

田舎の友人から聞いた話

彼が小学生の頃の話です。
夕方から急に冷え込んで、日が落ちてからは雪がちらちらとしてきました。
「このまま降ったら明日は雪が積もるかな。」と思いつつ、就寝

翌朝、日課となっている新聞を取りに出ると、雪が積もっていました。
玄関から郵便受けまでツッカケをサクサクと言わせながら歩き、新聞を取りました。
目の前の田んぼには一面に雪が積もって真っ白になっています。
「ああ、きれいだな」と眺めていると、山沿いにある田の真ん中にポツポツと足跡が見えました。
「動物だろうかな?」と思い、良く見るとかなり大きいです。
「熊じゃないだろうな?」思っていましたが、人のような感じの足跡で、 しかも、右足の跡しかありません。
「うわ!えらいものを見てしもうた!」と思った彼は急いで帰りました。
玄関に入ると、彼の祖父がいました。
「じいちゃん、さっきな畑に・・・」と見たものを話すと、祖父は
「ああ、たたら様じゃの、気にするな」何でもないように言ったそうです。

「まあ、今となっては思い出だけどね。でも、うちの田舎って色々、昔話 の類が多かったよな。たたら様とかも、その内に入るんかな?」
と今は古典教師になった彼は言っていました。

2009.11.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 民話・伝承

神様

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796 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/20(金) 21:53:32 ID:upwfS3PB0
知り合いの話。

彼がまだ幼い頃、隣の借家に移ってきた家族があった。
同い年の気のいい男の子がいて、あっという間に仲良くなったという。
親しくなった後に教えてもらったのだが、隣家は矢鱈と引越ししていたらしい。

他所に移る予定など何もない彼が羨ましがると、悲しそうな顔でこう言われた。
「あんまり良くないよ。
 折角友達ができても、すぐに別れることになっちゃうんだし。
 学校によっても授業の進み具合とか違うしね、勉強も大変だよ。
 でも仕方ないんだ。追われてるから」

「追われてるって・・・一体何に追われてるの?」
好奇心丸出しでそう聞いてみた。

「うちってその昔さ、遠くの山奥で神主みたいなことしてたんだって。
 でも廃村になるから社をたたんで村を捨てたそうなんだ。
 そこで祀っていた神様っていうのかな、山の主様がとても怖い神様でね。
 祀っていないと祟りを落とす暴れ神だったんだって。
 だからうちは一所に留まれないんだ。
 神様、執念深くてきっと追いかけてくるから。
 幸い神様は足が遅いらしい。
 身体が石とか岩でできているって話だから。
 だから神様に追いつかれる前に、うちは引越しして逃げ続けてるんだ」


797 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/20(金) 21:54:35 ID:upwfS3PB0
「内緒だよ。借金取りから逃げてるんだろうって変な噂流されるから」
そう念を押されたので、誰にも話さないと約束した。

一年半ほど過ぎると、隣家は何処かへ引っ越していった。
彼はあの時聞いた話を誰にも話さず、その友人の記憶も薄れていった。

それから半年ほど経ったある真夜中、彼は目を覚ました。
何だろう、表の方から低い音が響いてくる。

 ゴリン ゴーリン

何か重たい物を引き摺っているかのような音だった。
ぼんやりと寝床の中で聞いている内、音が隣家の周りを巡っているらしいことに気が付いた。
同時に、あの話も思い出す。

音の出所を確認するのは簡単だ。
二階角にある子供部屋は隣家に面している。
カーテンさえ開ければ、何が隣家の庭に入り込んでいるのか見える筈だ。

しかし、ベッドから出ることは出来なかった。
その何かを見てしまうのがひどく怖かったからだという。
重く低い音はしばらく隣家で響いていたが、その内に聞こえなくなった。


798 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/20(金) 21:55:39 ID:upwfS3PB0
翌朝、日が昇ると一番にカーテンを開け、隣の庭を見下ろした。

そこには何の異常も見られず、重たい物を引き摺った形跡もなかった。
家族に聞いてみたが、前夜あの音を聞いていたのは彼だけだったらしい。

「まぁ本当のところ、僕が寝惚けていただけなのかもしれないけどね。
 でも今でも時々思うんだ。
 アイツ、まだずっと逃げ続けているのかなぁって」

仕事で知り合った彼は、とある会合でこんな話を聞かせてくれた。
「もう時効だろうし、アイツが今何処にいるかもわからないしね」
彼はそう言いながら懐かしそうな顔をした。

2009.11.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 怪異

山で

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774 :本当にあった怖い名無し :2009/11/18(水) 02:00:38 ID:Vsx/P3520
>>76
> ちなみに幽霊は、半透明だったり足がないほうが珍しいよ。

話しぶった切って悪い。これ読んで、ふと思い出したことが。
山で写真を撮ってたんだけど、時間的に帰ろうか迷ってた時、男の人が頂上を目指して歩いて行くんだ。
俺も、人がいるからと安心して、もう少し上に行ってみようと思い、夢中で写真を撮ってた。
写真を撮りながらなので、かなり遅い登山なんだけど、男の人も休憩していたりして、ペースが一緒だった。
気付いたら日没まで、かなりギリギリだったので、急いで下山している途中、両足が痙って動けなくなった。
結局、夜に救助のお世話になったんだけど、あの男の人は何処に行ったんだろう?w
確かに山登りの服装だったけど、軽装でテントとか持ってなかったような。
丁度、今ぐらいの時期の11月下旬で、夜は寒いのに泊まったのかな?
改めて考えると怖い。自分は、凄い怖がり。

別の日に、滝の写真を撮ろうと、滝を眺めながらポジションを探していたら、後ろから女の人に名前を呼ばれたw しかも大声で辺りに響き渡る。
立ち止まって、振り返って見たが誰もいない。気のせいかと、鳥肌立てながら姿勢を戻したら、足下は激流だった。
滝の瀑音で、流れる音が消されてて気付かなかった。誰か分からないけどありがとう。


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2009.11.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 怪異

スニーカー

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764 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/11/17(火) 18:27:24 ID:5s8Q8HvZ0
友人の話。

真冬日に、家の裏山を散歩していた。
普段は泥濘で入れない湿原にも雪が積もり、上を渡れるようになっていた。
鼻歌を歌いながら真っ新な雪を渡っているうちに、先行者の痕跡に出会した。

子供のものらしい、小さなスニーカーの足跡。
一直線に延々と、雪野の上を横切っている。
右足の跡だけが。

足跡は山の奥へ向かって進んでいた。
後を追うような真似はせずに、そこで下山したのだそうだ。

2009.11.24 | | Comments(0) | Trackback(0) | 怪異

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