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979 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/28(水) 23:21:37 ID:qQ0PV2Mp0
近い。
足音はないが、すぐ近くに何かを感じていた。
呼吸しているなら、息がかかるに違いない。
それほど近くに居る。
錯覚に違いないと思っていた。
体調だけは、やたら良かった。
何も考えずに身体を動かし続ける限り、疲れとは無縁だ。
滝の下、しぶきが輝いていた。
見上げる顔の真横、何かがある。
俺と同じように滝を見上げている。
淡い灰色の、魚肉ソーセージのような形の頭を
ゆっくり動かし、ルートを刻んでいるかのようだ。
こいつは何だろう。
そう思いながら、見ようとしても無駄だと思っていた。
木漏れ日や、影くらいしか見えまい。
今日は単独だ。
錯覚を強く感じるのは、そのせいでもあろう。
慎重にルートを選び、最も安全な経路で登る。
ずしりと、そいつが重くなった。
ちょっと待て。
じわじわと、確実に重さを増し続けている。
体感的には、30キロ近いザックを背負っているようだ。
ザックの重さなど、10キロもないというのに。
こいつも錯覚だろうか。
980 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/28(水) 23:22:42 ID:qQ0PV2Mp0
安全などに構っていられない。
一気に滝を登りつめた。
もはや、俺にとって錯覚などではなくなっている。
こいつ、と思った。
どうすれば置いて行けるだろう。
次に誰かが来るまで、ここに居ればいいのに。
軽くなった。
気配はそのままだが、重さは消えた。
その先、重さを増すこともなくなった。
体調だけは、やたら良かった。
そいつと一緒に岩や滝を登り、息をついた。
登山口まで降りると、気配が離れた。
明日の朝まで、誰かをここで待つのだろうか。
その姿を見ようなどと、最後まで思わなかった。
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2006.06.30 |
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953 :夜山猟師:2006/06/28(水) 00:05:03 ID:QSV3/jhO0
子供の頃の話。
そもそも母は、俗に言う狐持ちの系統に生まれたらしい。
子供も頃から話半分に聞いていたが、たまに色々な事を
当てることがあった。偶然にしても、面白いものだった。
そんな母が、私の子供の頃の話を語る。
その頃父は、鉄塔の基礎を作る仕事を請け負っていた。
時代は高度成長期、さすがに半農半猟ともいかなくなり、
出稼ぎからはじめた工事作業で現場主任まで行うようになっていた。
鉄塔基礎の作業は、山中にケーブルを通し、機材を
移送する所からはじまる。長年の山での知識が大きく役立った。
かつ、仕事が休みのときは相変わらず猟に勤しむ。
作業は基礎が完成次第、各地を順に廻ってゆき、その度に飯場の
移動があった。民家を借りて、飯場と宿舎にする。
仕事師は常時15名程度。
藁葺き屋根や、土間、囲炉裏も普通だった。
この頃に鉛弾も見ていたともの思う。
3歳前くらいだったか、自分の記憶はあやふやだが
母は昨日のことのように思い出すという。
私はその日もいつものように母と飯場に残っていた。
954 :夜山猟師:2006/06/28(水) 00:05:56 ID:xKFPGEQe0
突然、私が立ち上がって飯場の大きい座卓の周りをぐるぐると回り始めた。
母はいつもと少し様子が違うのに気がつき、声をかける。
私はそれを無視してぐるぐる回る。だんだん速くなる。
目も虚ろになった。母は恐ろしくなり、私を止めた。
すると
「おとうがたぬきとった!」
一言言い放つと、けろっといつものように遊び始めたらしい。
母は何事かと思ったが、子供のたわごとと思い、帰ってくる仕事師の
食事の支度に追われていたのもあって、そんなことはすっかり忘れていった。
しかしその夕、山から父と仕事師たちが帰ってきて、母は愕然とする。
父がぶら下げて帰った麻袋から取り出したのは、血まみれの狸だった。
「なんで・・・銃も持っていっとらんじゃろうに・・・」
「おお、たまたま穴に入り込んどるのを見つけての、引っ張りだしたんじゃあ」
母はそのとき、はっと気になり、その時間を聞いた。
「昼飯食うて一仕事したあとじゃけえ・・・3時半じゃったの」
丁度、私が回りだした時間だった。
件の狸は毛皮にされ、暫くの間土間で干されていたのが記憶に残っている。
弾傷が無いので、毛皮商が良い値で買い取っていったそうだ。
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2006.06.30 |
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925 :夜山猟師:2006/06/27(火) 02:19:39 ID:xKFPGEQe0
ではお言葉に甘えて。
ウサギを追いに行ったときの話。
ウサギ猟は猟犬の質が問われる。
ノウサギを追うときに、人のほうへ人のほうへ廻してこれる犬ほど良い。
ノウサギは自分の縄張りを一杯一杯に大きく回って逃げようとする。
犬はその500~600m後を匂いを頼りに追いかける。
昼からはじめたウサギ追いは夜半に突入し、長期戦の様子。
犬は何度も父の辺りにウサギを追っているはずだが、一向に銃声が聞こえない。
そろそろ犬を回収しないと夜を徹することになりそう。
向かいの山に父がいる。私は尾根を下りて回収に向かった。
暫く下りたところで、犬の追い鳴きが聞こえた。まだ追ってるのか・・・
予測しながら、ウサギが通りそうな地点まで先回りする。
犬はウサギの通ったとおりに走るので、回収するにしてもそのほうが効率がいい。
銃をまだ持たない私は、あわよくばウサギに一発かませられるかも、と期待しながら
勢子棒を握り、息を殺した。
暫くして、犬の声が近づいてきた。
そろそろ、ウサギの音が聞こえるはず。
ウサギはトッ、パッサッ、トッ、パッサッと独特の足音を出す。
案の定、聞こえてきた・・・微動だにせず、息を殺して目をやる。
あれ?
926 :夜山猟師:2006/06/27(火) 02:20:34 ID:xKFPGEQe0
目をやると、音のしているところにウサギはいない。
代わりにへんなひらひらした紙幣みたいなものが動いている。
大きさにして、4~5センチくらい、すべるように、ひらっと舞うように移動する。
そして音はまさにそこから聞こえる。
見る間に、それは捩れるように消えた。
???
その場所に、暫く遅れて犬が来た。犬も紙幣が消えた辺りで何度もぐるぐる回る。
犬を回収して、無線で連絡した。
帰り道、その話をすると
「ふーん、それでのう、そんならなんぼ待っても捕れんわい。ここはこないだ獲ったけェ、
おらんかのと思うたんじゃが、犬がつけるけェ、入れてみたんじゃ。あんなあ、まだ走りよるんじゃのう。」
要するに、それはウサギの魂で、まだ死んだ事に気がついてないで走って逃げ続けている、というのが父の答えのようだった。特に不思議がるでも、疑うでもなかった。
それ以後、その場所でもどこでも、そのようなものを見ない。
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913 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/26(月) 23:01:14 ID:b7wLs3j70
古い、カビ臭い屋根型テントの中、これといって
やることもなく過ごしていた。
時間を持て余していたわけではない。
特に何もせず、ぼんやりできる贅沢を堪能していた。
同行している知人も同じだ。
その山で育った彼は、目を閉じ、山そのものに浸っている。
狭いテントの中、二人別々に、心地よい孤独に浸っていた。
水音。
ちょろちょろと流れる音が聞こえる。
外を流れる川からは、せせらぎというには騒々し過ぎる
水音が響いているが、それとは違う。
テントの中だ。
見回し、這い回り、耳を澄ます。
目と耳が支柱を捉えた。
アルミ製の支柱が、二本でテントを支えているが、
音がするのは、入り口に立てられた方だ。
高さにして中ほどあたりだろうか。
そこから水音が漏れてくる。
支柱に耳を当て、地面と接する所まで降ろすと、
そこから下、深い穴へ水が流れ込む音がしている。
手が出た。
支柱をつかみ、持ち上げようとした。
「やめろ」
知人の声が聞こえた時には、支柱は数ミリ持ち上がっていた。
中空の支柱からは、水滴ひとつ落ちてこない。
914 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/26(月) 23:02:25 ID:b7wLs3j70
支柱を元に戻し、耳を当てた。
何の音もしない。
振り返ると、知人は薄笑いしている。
「明日は水無しだぞ」
訳が分からない。
翌朝、ザックの中にあったはずの、水を入れたポリタンクが
テントの外、蓋を開けられ、転がっていた。
拾い上げると、ほんのわずかな水が残るだけだ。
川の水は、飲めないと知っていた。
「湧き水は無いぞ」
仕度をしながら、知人が告げた。
水無しで一日。
彼はそれを受け入れていた。
「仕方ないよ、お前が水止めちまったんだ」
飲み物くらい、何とかならないのか。
降りれば、自販機だってある。
「今回は、無理だろうな」
自販機は売り切れか故障か、何かの作業中だろうと言う。
遭難には気をつけろと、何度も言われた。
今回は、水が手に入らない。
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891 :本当にあった怖い名無し :2006/06/26(月) 13:38:03 ID:afenhTi60
昭和5年生まれの父親の話。
わかりやすいように自己視点で書きますが、脚色はありません。
父は、地方の山村に生まれ、半農半猟の青年時代を送った。
猟の腕は兄について回りながら鍛えたのもあり、30歳前には「目抜き」と
あだ名されるほどだったと言う。
猟はいつも単独で、紀州犬を一頭のみ連れて猪を狙う「留め狩り」というスタイル。
犬が先に猪を追い出して、逃げぬよう、押されぬように「留めて」いるところに
人が追いついて、猪を狙うというもの。
本来、昼間に行う猟だが父はそれを夜行うのが好きで、しかし周りの者には
「夜に猟やら、○○ちゃんしかようできん」などと、蔑まれるような、
畏れられるような行為だったらしい。
事実、夜のほうが獲物はよく出ているので、猟果は高い。が、本来夜に山に入るのは
暗黙の了解として禁忌とされている。ましてや、猟など・・・・
若気の至りというのもあったのだろうか。
その日も、父は一人で山に入っていった。
猟師が歩く距離は想像を絶する。小一時間も歩けば、尾根を越えて奥山の谷に差し掛かる。
その日は遠出のつもりだったらしい。
ただ、出猟前にほんのすこし、異常があった。
犬が離れないのだ。
本来、猟犬は一人で獣跡をつけてどんどん奥に入っていく。
これは私も何度も父と同行しているので知っているのだが、そもそもそうでないと
猟にならない。だいたい、2~300mほど先を犬が行くのが当たり前である。
そんなに奥まで分け入っているのに犬がつけないというのは私も見たことが無い。
その日は、犬が入らなかったそうだ。
父は、単に獲物の跡が無いからだと考え、どんどん奥に入っていった。
892 :本当にあった怖い名無し :2006/06/26(月) 13:38:53 ID:afenhTi60
しかし、奥に行くほど犬は足元に絡みつくように引っ付いてくる。
こんなことがあるもんか?と父が考えていたそのとき、
突然後ろから声がした。
「おうーい、○○ちゃんよーい」
父に聞くと、ほんの10mぐらい後ろから聞こえたそうだ。
父は、誰か後をついてきた友人かと思い、返事をした。
「おう、来たんかー!どうかいのー!」
しかし返事は無い。静寂が続く。
空耳かとも思ったが、はっきりしすぎていた。
はっきり、10m後ろから声が聞こえた。しかし、凝視しても闇が広がるのみ。
不思議に思いつつ、歩を進めようとしたとき、今度はほんの5m後ろで声がした。
「うおーう、○○ちゃんよー!」
聞き間違えでは無い。はっきりと、聞こえた。
しかも、今日ここにいることは誰にも言っていない!
暗闇で、後ろからなぜ自分とわかる?こんな人気も無い深山で!!
「ばけものは2度聞いてくる。2度答えると、命は無い」
という年寄りの言葉を思い出した。
今度は返事をせず、振り向いた。
やはり何もいない。藪の中?
犬は足元で尻尾まで丸めている。
猟犬が?
熊にも怯えぬ猟犬が!?
さすがに総毛だった。
893 :本当にあった怖い名無し :2006/06/26(月) 13:39:39 ID:afenhTi60
普通なら、ここで崩れ落ちるか恐怖のあまりどうにかなるかだろうが、
父はどっかと座り込んだ。震えながらもタバコを点し、一息ついたのち、
突然足元で丸くなっていた猟犬を、声のした藪に投げ込んで銃をとった!!
「ギャー!!!グゲーッ」
獣の声と同時に、飛び出た塊に照準を合わせ、ターンと打ち抜く。
大きな雄狐だった・・・・
犬もわれに返り。死んだ狐に歯を立てている。
父は未だに現役で、夜山に入っている。
私も同行する。たまに、へんなものも見ることがあるが、
これほどの事は未だにない。
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858 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/25(日) 00:21:21 ID:87yxZpzv0
友人の話。
彼女の実家では、かつて黒い犬を飼っていた。
「血統書とかはなかったけど、おそらく甲斐犬」と彼女は言う。
彼女が物心ついた頃には、もう立派な成犬だった。
頭の良い犬だったが、奇妙なことがあったらしい。
ドアを閉めていた筈なのに、いつの間にか家の中に入っていたということが多々
あったというのだ。
ふと気が付くと、自分のすぐ横で尻尾を振っている、といったような。
家族皆がそう感じていたのだが「気のせいだろ」と流されていた。
ある夏の日、いつもと違う方向から彼女が帰宅したところ、犬は庭で寝そべって
いた。彼女にまだ気が付いていない様子だ。
然したる理由はないが、何となくそこで立ち止まって犬を眺めていたのだという。
気持ちはわかる。私も犬好きだから。
とその時、家の中から母親の大声がした。何かひどく慌てているようだ。
犬は頭を振って起き上がると、台所の勝手口に向かった。
少しの間ドアの前でお座りしていたが、やがてすくっと後足で立ち上がる。
普段から二本足で歩き慣れているかのような、実にスマートな立ち姿だった。
あれあれ!?、と彼女が見守る前で、器用に前足でノブを掴む。
ガチャリと一発で開けた。そのままスタスタと二足歩行で中へ進む。
そしてドアはパタンと中から丁寧に閉められた。
しばし、呆気に取られたそうだ。
859 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/25(日) 00:22:33 ID:87yxZpzv0
(続き)
その夕食時、家族にその話をしてみたのだが「まぁそういうこともあるだろ」と
あっさり受け止められた。
特に弟からは「あいつ、時々二本足で歩いているよ」とまで言われたのだと。
その時は弟が声を上げて気付かれてしまい、すぐ四つ足に戻ったらしい。
「アレでもうちの犬だし、別に害があるわけでもなし。構わんだろ」
父親がそう述べて、この件についてはそれきりになったという。
犬が十八才を迎える頃、母親が「この子は元気だねぇ。まるでモッケみたい」と
口にした。ちなみにモッケとは、その土地での物の怪の呼称だ。
確かに若い時とあまり動きが変わらないな、と彼女も感じた。
元気に越したことはないから、まぁ良いか。母娘でそう会話したのだという。
それから数日して、犬は居なくなってしまった。
首輪が綺麗に外されて、鎖もきちんと畳まれて置かれていた。
母親は「誰かに盗られたのかねぇ・・・」と浮かない顔だったが、彼女そして弟は
自分で外したんだと信じて疑っていない。
あの時さ、モッケとか言わなかったら、姿消さなかったのかなぁって思うのよ。
ああいうのって、正体がバレたら御山へ帰るって、うちの地方じゃそう言われて
いたし。・・・モッケでも構わなかったんだけどな、うちの家族。
彼女はそう寂しそうに口にした。
その気持ちもわかる。やっぱり私も犬好きだから。
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834 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/22(木) 21:59:57 ID:OjzKT0PI0
先輩の話。
沢に沿って歩いている時のこと。
前方より小さな、雑音交じりの声が聞こえてきた。
さては、釣り人がラジオでも聞いているのかな。
そう思いながら藪を漕いでいると、やがて開けた場所に出た。
沢に向かって突き出した岩の先端、誰かが釣竿を持って座っていた。
麦藁帽子を目深に被り、地味なジャケットを羽織っている。
腰掛けている横で、古びたラジオがノイズ混じりの歌謡曲を流していた。
少し離れた場所に握り飯が三個置かれている。一つは齧りかけだ。
「釣れますか?」何気なく声を掛けたが、返事がない。
その時、違和感を感じた。話し掛けた相手が、まるで生き物ではないような。
失礼かと思ったが、相手を確かめに近よってみた。
釣り糸を垂れているのは人ではなかった。
無骨な、丸太作りの木偶だった。
しばしそこに立ち尽くしたが、木人形が話に応える筈もない。
仕方なく「それじゃ失礼します」と挨拶し、その場を後にした。
その日は一日中、何となく落ち着かない気持ちだったそうだ。
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833 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/22(木) 21:58:09 ID:OjzKT0PI0
知り合いの話。
幼少時に手伝いで、薪拾いに山に入っていた時のこと。
好奇心旺盛だった彼女に、お祖父さんが言って聞かせたことがある。
「紐とか蔓とか、細くて長い物は拾わないようにな。
そいつがクビレオニの物だったら、首括っちまうから」
クビレオニとは縊れ鬼と書くそうで、首を吊って鬼になった亡者のことを言う。
鬼は山に入った者誰彼構わず、それに首を吊らせるよう仕向ける。
その者の前に紐や綱を転がしておいて、うっかり手に取った者がいれば、
死にたくなるような暗い言葉を囁き続けるのだと。
誰かが首を吊れば、代わりにその自殺者が新しい鬼となるとも言われていた。
「自分でおっ死んだ輩は、成仏できないって聞くからな。
楽になりたいもんだから、行きずりの者でも取り殺そうとするんだろう」
自殺が多い場所っていうのは、やっぱり鬼がいるのかもしれないよ。
彼女は声を潜めてそう言った。
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2006.06.30 |
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832 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/22(木) 21:55:32 ID:OjzKT0PI0
友人の話。
彼の育った山村には、一風変わった神社があった。
一見ごく小さな普通の社なのだが、おかしな言い伝えがあるのだと。
「御犬様が境内を散策される時、側に近よってはならない」
御犬様が一体どんな犬であるのかは、伝えられてはいないそうだが。
彼は小学生に入ったばかりの頃に、御犬様を見たことがあるという。
その日、いつものように社に遊びに行くと、大きな黒い犬が地面を嗅ぎ回っている
のが遠目に見えた。
特別な犬だとは思わず近づいて行ったのだが、参道の途中で足が止まってしまう。
面を上げた犬の両目は、普通の犬の倍ほどもあったのだ。
あぁ、さてはこれが御犬様なんだな。
なぜかそう思えて、その場で足を返して帰ったのだという。
他にも御犬様を見た者は、何人かいたらしい。
人によって、その姿は少しずつ違っていた。
ある者は前足が異様に大きかったと言い、また別の者は尻尾が身体と同じくらい
あったと言う。どれもどこかしら真っ当な姿ではない。
しかし目撃者たちは皆、自分が見たものは御犬様に違いないと信じていたそうだ。
時たま里帰りした折に、親戚の子供達が“神社に出る奇形の犬”の話をしている
ことがある。御犬様、いまだ御健在のようだね。そう言って彼は笑っていた。
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821 :本当にあった怖い名無し :2006/06/22(木) 04:37:21 ID:K/dlh1Yh0
あまり怖くないと思いますが早起きしたのでひとつ・・・
真夜中に友人と二人で山道をドライブ(走り屋の真似、車種は180)をしていたときのことです。
道の真ん中に黒い塊が。車を止めてよく見るとそれは狸の死骸でした。
「かわいそーになぁ」
と、いいつつほったらかしてまた走り出すと、少して運転していた友人が「あれ?」と、
私:「どうした?」
友人:「今、そっち側に犬?居なかった?」
私:「いや。居ないだろ。」
友人:「居たって!白くて大きな・・・一緒に走って・・・!?」
その友人も気づいたのです。私の居る助手席の外側、車道は狭くガードレールしか無いことに・・・もちろん犬が走れる隙間なんて無いことに。
私:「何か・・・・見たのか?」
友人は真っ青になって先ほどの狸のところに戻り、手を合わせて本気で祈っていました。
一ヵ月後、私とその友人の乗る車は街道で事故を起こしました。
歩道に一旦乗り上げ、ピンボールのように中央分離帯まで弾き飛ばされ、一瞬は本気で死を覚悟しました。
車は大破。しかし私たちにはかすり傷ひとつありませんでした。
なにやらとりとめのない駄文すみません。関係あるのか無いのかすらわからない不思議な出来事でした。
もう、10年以上前の学生時代の出来事です。
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820 :本当にあった怖い名無し :2006/06/22(木) 02:59:20 ID:Np/MuUcf0
まとめサイト読んでたら思い出したので。
僕が小4の頃(かれこれ15年程前か)に、転地学習ていう
林間学校みたいな行事で兵庫県の某所にあるキャンプ場に
泊まったときのことです。
キャンプファイヤーなどの夜の行事が終わったあと、みんなで
「幽霊とか出ぇへんのかな~」と初めての霊体験を期待して
ワクワクしてました。けっこうキョロキョロ探したりしてw
そうすると、少し遠くの林の斜面をたくさんのオレンジ色の光が
凄い勢いで通ったので、すわ人魂かと思った僕らは「うおおっ」と
一瞬盛り上がったんですが、その後すぐに爆音のエンジン音が
聞こえてきました。
「なんだ、暴走族か・・・」
僕らはガッカリして寝ました。消灯後も当然何もなし。
一瞬期待が膨らんだだけに落胆も凄かったです。
でも翌朝、朝のミーティングのため外で整列した僕らは気付いたのです。
そこのキャンプ場て、駐車場にいたる道が外から伸びてきてるだけで、
周囲を囲むような道路は一切存在しなかったのです……
体験としては怖くないけど、当時はけっこうビビリました。
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2006.06.30 |
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775 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/20(火) 23:58:45 ID:ayzDBR4P0
学生時代に泊まったことのある避難小屋に、一人で泊まった。
ここへ来た全員が、また来たい場所だと言っていたのを
妙に懐かしく思い出し、ほとんど無計画にやって来たのだ。
簡単な食事を済ませ、翌日に備えてさっさと寝た。
交通事故で死んだ後輩の夢を見た。
前に来たときは一緒だった男だ。
夢の中、俺は住んだことのない街、住んだことのない
アパートの一室に住んでいた。
日差しは明るく、部屋全体が白く光っていた。
その部屋に俺を訪ねて来ているのが、その男だった。
煙草を吸い、笑い、話をしたが、どんな話だったかは、
残念なことに覚えていない。
「じゃ、そろそろ行くんで」
夢の中、彼は立ち上がった。
「あいよ」という自分の返事で目が覚めた。
暗闇の中、小屋のドアが乾いた音を立てた。
ドアを閉めた音だと、すぐ分かった。
外へ出ると、満天の星空。
乾いた空気の中、どこか遠くへ旅立つ、姿の見えない友人を、
見るでもなく見送った。
彼が死んで三年。
「ずいぶん、長居をしたもんだな」
応える声は、なかった。
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2006.06.30 |
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757 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/19(月) 23:19:52 ID:Y1f7hNfP0
知り合いの話。
寂しい山道を一人歩いている時のこと。
行く手に場違いな影が現れた。
四頭身くらいの頭でっかちな熊さんが、ふらふらとした足取りで歩いてくる。
イベントや遊園地で使われるような、熊の着ぐるみだった。
そういや、この近くに遊園地や映画撮影所なんかがあったっけ。
どちらから紛れ込んだんだろうと考えていると、嫌な臭いが鼻を突いた。
肉が腐ったかのような臭い。前方の熊ぐるみから漂ってくる。
よく見ると、熊の大きな頭が乗っている首の下から胸腹にかけて、黒い染みが
べっとりと広がっていた。
山で怪我でもしたのかと思い、慌てて駆けよろうとした目の前で、熊ぐるみは
躓き前のめりになった。コロン、と熊の頭が転がり落ちる。
ゴロゴロと、何か重い物が作り物の頭の中で転がっているような音がした。
彼はゆっくり顔を上げて、胴体だけになった着ぐるみを見つめた。
着ぐるみの首上、本来は中の人の顔がある空間には、何も存在していなかった。
首なしぐるみは一瞬立ち止まったが、直ぐにまたふらふらと前に進み出した。
熊が落とした頭を拾おうと屈んだ頃、ようやく我に帰った彼は、踵を返して後も
見ずに逃げ出した。
それ以来、彼は着ぐるみを見かけると身構えてしまうようになったという。
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2006.06.30 |
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756 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/19(月) 23:18:31 ID:Y1f7hNfP0
同級生の話。
彼は学生時代にフィールドワークをしていた山里で、何度か奇妙な体験を
したのだという。
ある冬の朝、里外れの田中で、雀が大量に死んでいた。
白い雪の上に茶の点が撒き散らされたかのようで、あまりの数に初めは
雀だとわからなかったそうだ。
研究に関わりでもあるかと調べていると、何かが死骸に突き刺さっている
ことに気が付いた。茶色で尖った物が一本。赤錆びた布団針だった。
彼が手に取った雀の死骸は、すべてが背から腹まで針で貫かれていた。
結局、性質の悪い悪戯ということで処理されたらしい。
悪戯にしろそうでないにしろ、まこと気味が悪かったよ。
彼はそう言っていた。
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2006.06.30 |
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755 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/19(月) 23:16:34 ID:Y1f7hNfP0
知り合いの話。
彼は大層な酒飲みである。
取り締まりが厳しくなった今でも、飲み歩きを続けている。
自分で運転して帰っていると聞かされた時は、流石に「止めとけよ」と注意した。
苦い顔の私に向かい、彼はニンマリと笑いかけた。
「良い場所があるんだよ」
そこは、既に使われていない石切り場なのだという。
街外れの山中にあって、訪れる者は誰もいない。
夜中にそこへ行き、闇の中に一人佇んでいると、不思議に酔いが醒めるのだと。
「大体五分から十分も立ってりゃァ、確実に素面に戻るんだ。
一昨年したたか酔った晩に迷い込んで、偶然気が付いたんだけどサ。
取り締まりしてる道を通る前に、必ず寄るようにしてる。
裏道通れば飲み屋街からも近いし、便利なことこの上ないぜ」
話を聞きながら、ふと考えた。
彼は今体調を崩していて、飲みに行く回数も減っている。
そう言えば、どこを取っても健康そのものだった彼が通院するようになったのが、
確か一昨年からではなかったか?
指摘してみたが、彼はまったく取り合わない。
「関係ないって!」そう言って屈託なく笑っていた。
本人が納得しているならいいか。そう思い、私もそれ以上は何も言わなかった。
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2006.06.30 |
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753 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/19(月) 22:09:19 ID:gwNJzJX60
麓から始まる山道を、四時間も歩いただろうか。
柵で囲われた林に、立て看板がある。
立ち入り禁止
立ち入った者は射殺します 地主
必ず 射殺します
皆でへらへら笑い、無闇に感心していたが、やがて
思いもよらない沈黙がやってきた。
脇腹から背中にかけ、虫が這うような寒気があった。
居合わせた全員、まったく同時に、悪寒に震え上がった。
どこかから見られている。
見ているのは、射殺する側だろうか。
それとも、された側だろうか。
帰宅後、全員が高熱を発し、寝込んだ。
目覚めるたび、部屋の湿気が耐え難かった。
全員が、しばらく湿気に悩まされた。
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2006.06.29 |
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731 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/18(日) 07:59:33 ID:upfUolvN0
冷蔵庫やテレビなどが不法投棄されていた斜面が
片付けられ、きれいになっていた。
それでも、早くも次のゴミが捨てられている。
一抱えほどの大きさの、プラスチックの箱だ。
半透明な箱の中には、携帯電話がぎっしり詰め込まれている。
実は当時、携帯電話は今ほど普及していなかった。
足を止めて見ていると、箱の中で呼び出し音が鳴り始めた。
ピリリ・ピリリ、という短いサイクルで繰り返される音を
聞きながら、箱の蓋を取り、中をかき回し始めた。
着信中の携帯電話はすぐに見つかった。
液晶画面を見て、顔が強張るのを感じた。
発信者として、俺の名前が表示されているのだ。
その頃、俺は携帯電話など持っていなかった。
通話のスイッチを押し、耳に当てた。
正体のはっきりしない、ざわざわする音と電車の通過音。
東京かどこか、ともかく駅のホームからの電話だ。
電話の向こう、俺の名を呼ぶ声が聞こえ、電話が切れた。
悪戯にしては気味が悪かった。
732 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/18(日) 08:02:10 ID:upfUolvN0
記憶が鮮明によみがえったのは、数年後だ。
駅のホームで、顧客へ電話をかけている最中だった。
メモ用紙に書かれた電話番号を見るうち、なぜか
あの山での出来事を思い出したのだ。
そのメモをどこでもらったか、実は覚えていなかった。
そこに書かれた番号は、今から連絡を取りたい相手の
ものだが、そう聞かされた訳ではなかった。
ただ、そう思い込んでいるだけだと気付いた。
電話をかけ、沈黙を聞いた。
馬鹿げたことだと思いながら、あの時聞いた音を
思い出していた。
背後を電車が通過し、一緒にいた上司に名を呼ばれた。
この向こうにいるのは誰だろうと思いながら、
電話を切った。
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730 :本当にあった怖い名無し :2006/06/18(日) 04:06:59 ID:RtXISKzc0
嫌よ嫌よもなんとやらー
話は変わるが、近くの某山は山開きに必ず天気が崩れるというジンクスがある
今年も案の定雨が降った
神主やってる親戚は山開きの日に頂上で祈祷する役目を担っているんだが、
「雨が降らないと逆に何か調子が悪くなるのかもな」と、慣れた様子で笑ってた
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703 :本当にあった怖い名無し :2006/06/15(木) 00:09:30 ID:lYZogVmr0
ずっと小さい頃の話。
ウチの父は大の山好きで、小さい頃はよく沢蟹取りとかに連れてってもらってた。
あまり場所は変わらなかったはずだけど、その時も川の近くで遊んでたんだと思う。
そのうち飽きてきてその辺父と歩くことになった。(母と姉は近くで休んでた)
で、すぐ近くに小さな小屋(寺っぽい)のがあったんだけど扉はもちろん開かなかった。
(閂だったかは覚えてない)
その時からそういうものに興味があった私は入れないことが残念で、ちょっとだけ
壁の(板)間から覗いて見た。
その中は何も無かったけど異様だったのがお札の数。
外には何も貼られてなかったのに覗いた中にはびっしりと数え切れないほど
貼ってあった。
ホントに貼り方なんて関係なしにどこにでもべたべた貼った感じ。
その時は私しか覗かなかったし、それが普通だと思ってたけど今思うとゾッとする…
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697 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/14(水) 23:35:59 ID:wDGLQ57E0
友人の話。
晩秋の山道を一人歩いていると、おかしな物が現れたのだという。
森の中、薄暗い道の上に、黒い球体が浮かんでいた。
ビーチボールほどの大きさで、胸の高さをふわふわ漂っている。
近よってみると、それは様々な枯れ葉が寄せ集まったものだった。
茶色や灰色の葉が付かず離れず、ざっくりと大きな玉を構成している。
何だこれは? 思わず指で突付いてみる。
途端に何かが弾けたような感覚がして、辺り一面に朽葉が撒き散らされた。
彼の身体も、枯れ葉塗れになったという。
既に道上には、妖しい物は何も残されていなかった。
関係があるのかないのかわからないが、それからしばらくの間、
彼は体調を崩してしまったそうだ。
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695 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/14(水) 23:32:37 ID:wDGLQ57E0
知り合いの話。
彼の地元の山中には、一風変わった淵がある。
そこは恵比寿淵と呼ばれており、様々な物が流れ着くという。
エビスという言葉は、漂着物のことを指すのだそうだ。
不思議なことに、水源としてはかなり上流に位置するにも拘らず、どう見ても
海からの漂着物が流れ着くことがあるらしい。
友人はそこで、手紙らしき紙の入った壜を見つけたことがある。
何処から来たんだろうと取り上げ、蓋を取ろうとして硬直した。
壜の中、黄ばんだ紙の下に、黒く干からびて縮んだ物を見つけたのだ。
細長いその数は三本。片端に濃灰色の爪らしき物が付いている。
恐らくは人間の指だったという。
壜を水に戻し、そっと淵の中央に押しやった。
彼はその後しばらく、恵比寿淵には近よらなかったそうだ。
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693 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/06/14(水) 23:28:58 ID:wDGLQ57E0
知り合いの話。
彼のお祖父さんによると、ある山奥に老人ばかり集まる場所があるのだという。
最寄りの駐車場より小一時間ほど歩いた斜面にあるその場所は、林の中に
ぽっかりと開いた小さな広場になっている。
中心に松の切り株が八つばかりあるだけで、他に見るものは何もない。
だのに、いつ訪れてみても幾名かの老人がそこにいる。
老人たちの間で囁かれている噂がある。
切り株を一つ選んで腰掛けると、病が治り心身の調子が良くなるのだと。
どんな難病にでも効能があると言われ、それに縋る者も多いのだと。
ただ、切り株が効果を顕すのは、人生に置いて一度だけ。
それに加えて、切り株の中には外れが一つだけあり、それに座ると逆に具合が
悪くなって死ぬとも言われている。
人によって切り株の当たり外れが違うため、他人の選択は参考にならない。
お祖父さんはこれまでに二度、そこを訪れているという。
持病に悩まされていた所為だが、結局二度とも座れなかった。
「何ていうか、一つを選ぶ勇気が出なくて」
そう言って苦笑していたそうだ。
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2006.06.29 |
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595 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/09(金) 23:10:59 ID:uW8/IQB+0
登山道を斜めに横切り、一日中、藪をこいで遊べば、
身体中、落ち葉や、草木の実だらけになる。
ぐったりし、それでも心地よく疲れ、下山して
電車の切符を買おうとする頃、無性に寄り道が
したくなった。
一日中、馬鹿げた山歩きをしたせいだろうか、
頭のどこかが熱く、のんびり散歩でもしたかった。
電車を二駅ばかりで降り、ぼんやり歩いた。
空を見上げ、里芋の葉を眺め、土の香りを吸い込んだ。
無目的なようでいて、どうやら行きたい場所は
あるらしい。
曲がり角をどちらへ行くかさえ、決めていたような
気がしていた。
いつしか、散歩はのんびりしたものではなっていた。
せかせかと足が動き、息切れさえしていた。
596 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/09(金) 23:14:26 ID:uW8/IQB+0
不意に足が止まった。
全身から草や木の実を、丁寧に払い落とした。
神経質なほど、丁寧に落とした。
気持ちが静まり、そろそろ帰ろうかという気になった。
駅に向かって歩き始め、何となく振り返った瞬間、
そうか、と思った。
寄り道や散歩が、誰の意思だったのか分かったのだ。
俺の意思ではなかった。
今しがた払い落とした、多くの実や草を思った。
彼らは、ああして自分たちの生息域を広げたのだ
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573 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/08(木) 23:00:15 ID:bo11ZPF00
地図だけを頼りに山へ入り込み、地図上、平らな地形の
場所にテントを張る。
馬鹿馬鹿しいが、それはそれで面白い遊びだ。
それでも、見込み違いはある。
ガイドマップではなく、国土地理院発行の五万分の一や
二万五千分の一の地図から得られる情報は、やはり少ない。
それでも、ガイドマップなんざ使えるかよ、などと息巻いて
山をほっつき歩くことを、やめようなどと思ったことはない。
その日、テントを張る場所はついに見つからなかった。
寝る場所なら、あった。
絵に描いたような廃屋。
雨漏りは確実だろうが、屋根付きだ。
腐っているとはいえ、床板もある。
だがしかし、絶対に入りたくないと五感が告げていた。
視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の全てが、その廃屋を
嫌がっていた。
だがしかし、嫌がっていたのは、俺だけだ。
他の連中は、屋根付きの優良物件に大喜びしていた。
壊れた玄関の引き戸をずらし、中へ踏み込んだ。
縁側の雨戸などすでになく、窓もなく、木漏れ日が
家の中を照らすでもなく、薄明るくしていた。
カビと、何やら酸っぱい臭い。
畳が敷かれていたであろう部屋を覗いて、虫酸が走り、
鳥肌が立った。
574 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/08(木) 23:01:42 ID:bo11ZPF00
床のあちこちに、卒塔婆が転がっているのだ。
散乱しているのではない。
きちんと並んでいる。
目を凝らし、俺は首をかしげた。
埃まみれの床板で足を滑らせると、足はそのまま
卒塔婆の上に乗った。
卒塔婆は転がっているのではない。
床板として、打ちつけられている。
卒塔婆は全部で四本ある。
俺たち一行は、四人。
その偶然に、なぜか足がすくんだ。
卒塔婆のことを告げると、そこで寝たいなどという
馬鹿者は、さすがにいなかった。
薄暗くなった山道を走るように逃げたが、最後尾を
行く俺は、背後の足音をずっと聞き続けていた。
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557 :本当にあった怖い名無し :2006/06/06(火) 21:18:02 ID:jwXqttAs0
怖い話とは、ちょっと違うかもしれないけど・・・
丁度10年前の夏、屋久島に行った。
縄文杉を先に見る縦走ルートをとったけど、初日以降ずっと雨。
ゴアの雨具から水が滲みてくるほどの豪雨の中、花之江河を過ぎ、ようやく
着いた淀川小屋で休息を取っていると、ぞろぞろぞろぞろ、小学生達がやってくる。
豪雨の中、ビニールの運動靴に半ズボン、100円で売ってそうなレインコートという
余りにも軽装の子供が殆どで、中には唇を紫にして振るえながら友人に支えられている
子供もいた。
引率の教師が今日はここで泊まり、という説明をしているけど、果たしてそれだけの
人数を収容できるのか?という人数だったけど、休憩を取り終えた私達にはその後彼らが
どうなったかは分からない。
屋久島の人間にしては、あまりにも無用心だ、という疑問だけが残ったけど、
あの小学生たちは本当に無事に下山できたのだろうか?
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2006.06.29 |
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508 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/04(日) 20:43:34 ID:XxpSd2JJ0
のっぺりした、家ほどに大きな岩を真横から見ると、
その向こうには空だけがあり、まるで大絶壁のようだった。
ザイルを垂らし、腰のベルトに通してポーズを取り、
写真に収めようということになった。
きっと、名うてのクライマーのような写真になるだろう。
張ったザイルに身体を預け、ほんの1メートルも登れば、
四角く切り取られたカメラのファインダーの中は、
ヒマラヤかアルプスさながらだ。
俺がポーズを取り、友人がそれを撮影した。
次に俺が撮影し、友人がポーズを取る。
ベルトに通したザイルを引っ張り、固定されているのを
友人は確認した。
すでに習慣となった動きだ。
友人が笑いながら1メートルばかり登り、そこで表情を
引き締め、ザイルに体重を乗せた。
ファインダーの中、友人の姿は予想通り、とんでもない
大絶壁に挑むクライマーだ。
何枚か撮影し、友人から目を離してカメラをしまおうとした。
509 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/04(日) 20:44:21 ID:XxpSd2JJ0
どすんという音と、喉の奥から搾り出すような、短く、低い
友人のうめき声。
落ちたな、とそれはすぐ分かった。
尻餅をつき、岩を見上げる友人は、ザイルを握っている。
落ちたからといって、どうこう言う高さではない。
「おかしいなあ」と友人は首をかしげる。
ベルトからザイルが外れていた。
確かに確認したはずだし、問題も無かったはずだ。
とはいえ、何事にもミスはあるものだと、その場では納得した。
山から帰り、フィルムを現像に出した。
馴染みの写真屋は、うまく現像できない写真が何枚かあったことを
俺に告げた。
ネガを広げ、二人で確認した。
現像できなかったのは、大岩での友人の写真。
友人は写っているが、ぴんと張ったザイルは写っていなかった。
ザイル無しでは絶対に不可能な姿勢で、友人は岩に貼り付いていた。
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2006.06.29 |
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504 :本当にあった怖い名無し :2006/06/04(日) 16:53:37 ID:0ryc0JLiO
予備校時代の講師の話
その先生の登山歴はエベレストやスイス連峰など蒼々たるものでした。
冬山に登り、夜テントを張って寝ようとすると、一晩中テントの周りをミシッ、ミシッと歩く音がするらしい。
翌日に晴れてテントの周りを見ても足跡のひとつも見当たらない。
山には不思議なことが多い、と話していた。
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2006.06.29 |
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478 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/03(土) 07:20:20 ID:CMXV1/yz0
大雨で溶けるように崩れた斜面に、人骨が散らばっていた。
崩れた地面の元をたどれば、頭蓋骨だけで、百近くあった。
巨大な穴を掘り、そこへまとめて埋葬したようだった。
埋葬じゃないよ。
彼は言う。
あれはね、生き埋めですよ。
しかも、まとめて一気に百人近い人間を埋めたんですよ。
近隣ではかつて、よく分からない建物の遺構が見つかったが、
不便すぎて調査もままならず、捨て置かれた。
地元の有志が集まり、露出した大穴から骨を拾い集めた。
昔は庄屋を務めた旧家の旦那が、一番熱心に拾い集めた。
なんとなく、頭蓋骨を並べ、同じ種類の骨ごとに並べると、
不自然な感じがしてきた。
右足の骨が、ひとつも出てこない。
骨盤の股関節部分、右足の付け根はどれも傷ついたり
砕けたりしていた。
479 :全裸隊 ◆CH99uyNUDE :2006/06/03(土) 07:21:24 ID:CMXV1/yz0
やがて、朽ちた革袋が出てきた。
袋は簡単に裂け、黒っぽい小片が大量にこぼれた。
朽ちた鱗のようなそれを、誰かが爪だろうと言い出した。
おそらく、三本の手足から剥いだ爪だ。
右足を切り落とし、爪を剥ぎ、大穴に埋めたらしい。
作業に参加していた皆が、同じことを考えていた。
昔の庄屋の家では、代々、右足に障害を負うものが多い。
先天性の障害もあった。
事故によるものもあった。
話しながら、彼は、気味悪げにあたりを見回した。
右足の骨は、とうとう一本分も出てこなかった。
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2006.06.29 |
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476 :本当にあった怖い名無し :2006/06/03(土) 02:18:52 ID:BIua+1PH0
友達から聞いた話
深夜の山をドライブ中に大きな白い犬が道端に立っていた。
「珍しいな、それにしても大きな犬だ。飼い主が捨てていったんだろう」
犬は車が近づくと背を向けた。
すると凄い勢いで側溝の穴(大人の手がやっと入るくらいの大きさ)に吸い込まれるように消えていった。
「イタチかハクビシンじゃないの?」と俺
「いや間違いない。大きな柴犬みたいな犬だった・・・」
ちなみにそこは、よく事故が起きる場所でもある。
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2006.06.29 |
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471 :本当にあった怖い名無し :2006/06/02(金) 22:41:29 ID:jjT33N520
母親がさ、田舎の生まれで
昔はよく山で遊んでたらしいんだけど
ある日、ウサギを飲み込んだ猿を見たんだってさ。
喉のあたりがあり得ないくらいに膨れてて
口から覗く2本の足がヒクヒク動いてたそうだ。
蛇じゃないんだから……
そんな猿いないよね?
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2006.06.29 |
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