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太平洋戦争中の不思議な・怖い話
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185538278/l50

590 :本当にあった怖い名無し:2007/08/21(火) 00:30:05 ID:lmy4GEEs0
昔、父から聞いた話を思い出して書いてみます
当時、父は父(叔父)と母、長男、次男(父)の4人で暮らしていました
しかし、戦局が厳しくなると、当時、学生だった長男も出征する事になりました
駅で汽車に乗り込む際、母は泣きながら近くの神社のお守りを手渡し、父は
長男が生まれた日に買った柱時計のぜんまいを巻くネジを手渡して
「これはお前に預ける、帰ってきてお前が巻くんだ… 良いか、絶対だぞ!!」と言ったそうです
それから数ヶ月経ったある日の夜、両親は突然金縛りにあって目が覚めました
同時に、玄関の扉がガラガラと開く音がしました
そのまま、コトコトと足音が一家の寝ている寝室に迫ってきて… 部屋の襖が開きました
泥に汚れた靴、足に巻いた包帯、軍服に白襷、そして鉄兜… 月明かりに照らし出されたその姿と顔は、まさしく長男でした
彼は、まだ幼かった次男と柱時計を見てにこりと微笑み、両親に一礼したそうです
同時に、カチンという音と共に別の時計が1時を指しました (柱時計はぜんまいが伸びていたので動いていませんでした)
はっとして再び長男の立っていた所を見ましたが、そこには誰もいませんでした
ただ、そこにはあのネジとお守り、そして「生きて帰る事が出来ず申し訳御座いません」と書かれた1通の手紙がおいてありました
数日後、家に電報が届きました…  そこには、やはりと言うべきか
「歩兵○連隊は、午前1時、現地時間○時ごろ、○島にて決死の突撃を敢行し、見事全軍玉砕せり」と書かれていました
あれから早六十数年、当時の家も取り壊され、叔父も逝き、父ももう長くはありません
長男も今、どこかの島の土の下で眠っています
あの手紙やお守りは今も大事にしまってありますし、柱時計も今、この瞬間も時を刻んで、
鐘を鳴らしています(ネジももちろんあります)
少なくとも、私が生きている限りはこれらの品々は絶対に残していきます

以上
駄文、長文の上にベタな話ですいません
…最後まで読んでくれた方ありがとう御座いました



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2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

伝えて欲しい

太平洋戦争中の不思議な・怖い話
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185538278/l50

617 :軍板初心者:2007/08/22(水) 00:31:33 ID:r6HuZK04O
これは大分前、身内の見舞いに行った介護施設で知り合ったご老人(Aさんとしますね)に聞いた話です。
ただ、大分前に聞いて記憶もアヤフヤだったので、今まで書き込みを控えてました。
が、思い出せる範囲で書いてみます。

彼は戦時中、陸軍歩兵だったそうです(所属連隊も言ってたけど、忘れた)。

で、彼は南方の島に行ってたんだけど、ある時部隊からはぐれてしまった。周囲は密林で、方向なんて分からない。
かなり焦って仲間を探すも、人の気配なんて皆無。それどころか、歩けば歩く程、密林の奥に進んでる感じまでしてきた。

やがて、歩き疲れた彼は、大木の根本に腰掛けた。
『このまま俺は死んでしまうのか…』

そんな事を考えてると、大木の反対側で、何やら人の気配が。
暗闇に目を凝らしてみると…味方の兵士だった。

聞けば、その兵士も道に迷ったらしい。
とにかくAさんは、味方の兵士が居る事にホッとしたのと同時に心強く感じたそうだ。


618 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 02:33:28 ID:r6HuZK04O
Aさんは、その兵士と身の上話なんかをしてたんだけど、彼はしきりに
『俺は帰れそうにないから、俺の家族に宜しく伝えて下さい』
と言う。

Aさんは『何を馬鹿な、一緒に帰ろう』
と返すが、相手は
『伝えて下さい、お願いします、お願いします…』と繰り返す。

とうとうAさんも折れ、
『じゃあ、帰ったらお互いの家を訪ねよう』という条件で住所を交換した。

さて、それから暫くしてAさんは、運良く通りかかった味方の一団と合流出来た。

で、ずっと話し相手をしてくれていた兵士に声を掛けようとしたが…大木の後ろには誰も居なかった。

結局終戦になって引き揚げてきたAさんは何年か経ってから約束を守るべく、相手の言ってた住所へ出向いた。
その住所には、確かに密林で話した味方兵士の家族が居た。
けれど家族によれば、Aさんと話した人物はAさんと話すよりかなり前に、戦死した事になっていた。

結局、何故縁もゆかりも無いAさんに宜しく伝えて欲しい、と言ってきたのかは不明。

きっと、Aさんなら必ず伝えてくれる、と思ったのかな。


2007.08.27 | | Comments(1) | Trackback(0) | ■怪異

太平洋戦争中の不思議な・怖い話
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185538278/l50

656 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 14:36:27 ID:rb8Zyeyk0
俺の爺様が海軍で衛生兵をやってたときの話。

あるとき、激しい海戦があって、艦は沈まなかったが戦友が目の前で弾け飛んだり、甲板にでっかい穴が空いたりでそれはもう酷い有様だったらしい。
その後、幾日か経ち、掃除やらお清めやらが落ち着いてきたころ、爺様が自分の箪笥の引出しを開けると、誰かの指がごろっとでてきた。
なんでも艦に弾が当たると、その衝撃で引出しががらっと空き、次の瞬間ぱっと閉まる。その一瞬の間に、バラバラになった体の一部がはいってしまう。
ということがよくあるらしい。爺様はその指をよく清め、海へ葬った。
ところがだ、次の日、引出しをあけると、またあの指が入っている。
驚いた爺様は必死になって引出しを掃除し、同じように海へと葬った。
が、次の日も指は入っていた。爺様は怖くなってそれ以来、引出しを開けることはできなかった。

爺様はいまでも、引出しを開けたひょうしにその指のことを思い出し、
同時に亡くなっていった戦友たちのことを思い出すそうです。

長文&駄文失礼。


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

手術

太平洋戦争中の不思議な・怖い話
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185538278/l50

667 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 17:56:24 ID:p+ZbvcBC0
俺のじいちゃんは軍隊の訓練が嫌で胃潰瘍になってつき返されてきたよ。
やる気の無さと根性の無さが、さすが俺のじいちゃんって感じで好きだった。
面白いじいちゃんだったよ。

ただ、胃潰瘍の手術は軍でやったらしいんだけど、縛り付けられて麻酔が皮膚の表面麻酔程度で腹を裂かれて胃を裂かれたらしい。
痛すぎて何度も「殺してくれー!」と叫んだけど、軍医に「貴様それでも軍人か!」と言われたらしい。
気絶してもまた痛みで覚醒して、また気絶しての繰り返しだったようだ。

そのトラウマがあって、老後に手術した時も眠らされてるのに「痛いーーー!!殺せー!!」と無意識に叫んでたらしいよ。


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■都市伝説・噂

チャランカノア

太平洋戦争中の不思議な・怖い話
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185538278/l50

716 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 02:16:23 ID:P0LK3yAa0
サイパンのガラパン地区よりちょっと南に下ったところに
チャランカノアという地区がある。
ビーチはよくグラビア撮影に使われたりするところだ。
そこは米軍が最初に上陸してきた地点で、当然日本軍との戦闘もあった。

そこに今も日本兵が二人ほどいるらしい。真っ昼間でも見える人には見えるそうだ。
バーベキューしながら雑談していると、その雑談に相づちうったりしているらしい。
なんか和んでいるそうな。


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

そっくり

ほんのりと怖い話スレ その42
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1186614946/l50

471 :本当にあった怖い名無し:2007/08/26(日) 23:56:40 ID:tAL0bcnK0
スーパーのレジで働いていた時の話なんですが、新店のオープンセールに人手が足りないのでレジ応援にいったんです。
バスと電車を乗り継いで二時間ぐらいの所だったかな?オープンセールの目玉商品めあてのお客さんがいっぱいいて
忙がしくレジ打ちしてたら
「○○さんじゃないの!まー久し振りね」って声をかけられたんです。
全然見覚えのない人だったけど、人の顏覚えるのは苦手な方なんで
「あの、どちら様ですか?」と聞いてみたんですね。そしたら
「私よ□□←(全然しらない名前)、△△区のスポーツセンターで一緒に働いてたじゃない」と言うんですよ。
私は△△区どころかスポーツセンターで働いた事も全く無いので「えっ?」て思ったんですが、なにしろ忙がしかったので
「すみません、人違いです」って流したんです。その人は不思議そうな顏をしてましたが。

まあ、普通に考えると私に似た人がいて、その時つけてた名札をみて声をかけたんだと思うんですが、気になるのが
“△△区のスポーツセンター”って所なんです。
昔、私が小学生の時に一回だけ
「車に乗ってたら△△区(←父の会社があった)で、お前にそっくりな子どもを見掛けた。こんな所で何してるんだと思って
声をかけたら走って逃げていったよ。本当にお前じゃないのか?」と父に言われた事があったんです。
だからもしかすると、同じ県、同じ市内の△△区のどこかに私にそっくりな人がいて、しかもその人は私と同じ名字なのかなーと
たまに思います


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

荷物

ほんのりと怖い話スレ その42
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1186614946/l50

455 :本当にあった怖い名無し:2007/08/25(土) 21:33:14 ID:U+IAsbIj0
運送屋でバイトしていた頃の話。
運転手の助手だったんだけど、いろんなご家庭の日常を見てしまうことがあったよ。
泣き叫ぶ女性や子供の声を聞きながら、平静を装って判子もらったりするのはしばらくすると慣れるね。
ある日配達に行った家は、家の中から楽しげな話し声が聞こえるのに何度呼び鈴を押しても誰もでなくて困ったよ。
痺れを切らした運転手に不在届けをもらい、ポストに入れようとしたら
「ここは誰も住んでないよ、間違ってない?」
と通りかかったばさんから話しかけられ、そんな馬鹿なと家を見ると、さっきまで人の気配のした家がひっそりと静まり返っているじゃないですか。
とりあえず不在届けを入れようとしたら、ポストの中はいろんな配達物で一杯。
何だか怖くなって急いで配送センターに帰り、皆に話すと
「あの家は半年ほど前に一家心中して、今は誰もいないはずだよ」
と言う人が。
あの荷物は誰が買って誰の為に送ったんでしょう。
もう何年も前の話だけど、まだ配送センターに保管しているのかな。


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

履歴

電話番号にまつわる怖い話
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1180021187/l50

87 :本当にあった怖い名無し :2007/06/18(月) 18:22:33 ID:YpRl8Eok0
友人の話なんだが、かなりいやな体験をしたらしい(ちなみに今その友人は音信不通・・・)

夜中の2時頃だったらしいんだが、見知らぬ携帯番号から電話があったそうだ。
普通の090-※※※※-××○○という番号だったそうだ。
寝てたのを起こされて、イライラしながら出たが、相手からは無言、後ろで誰かがブツブツ言ってたらしい。
友達からのイタ電か間違いだと思って切ったら、またかかってきて、また無言。
4回かかってきたらしい。流石にキレて「誰だお前!」って言ったらプツンて切れた。
やっぱイタ電か、とそのまま眠りについたら、朝方留守電が入ってたらしい。
「今から・・・飛び降ります。何度もすいませんでした」
ギョっとして聞いてたら携帯がなって警察から電話があったらしい。
「この方とはどういう関係で?」と聞かれ、「夕べ急に間違い電話かけてきたんですよ」
と言うと、「おかしいですね、この携帯、3日前に見つかった携帯ですよ?」
と言われたそうだ。今まで電話帳も空っぽで、着信もリダイヤルも0件だったのに、夕べ友人の電話にかけた履歴が残っていたそうだ。
警察に一応アリバイを聞かれて、俺もその証言に立ち会った。
詳しくは教えてくれなかったが、どうも荷物と靴を置いて飛込みしたらしい。


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

くねくね

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

547 :(@_@) ◆9cN0WXIgYY :2007/08/27(月) 19:14:22 ID:fSbxmUypO
今まで《くねくね》についての目撃情報等を検索かけてたのですが・・・・
【事例から】
田んぼの中にピンク色の割烹着のような服を着た人が立っているのに気が付く
「ああ、田植えか何かしているんだな」そう思って良く見てみると、
何か動きがおかしい、片足で腰をクネクネさせながら白いビニールの紐のようなものを新体操をしているかのように体の回りでグルグルさせている。
何と言うか、フラフープをしているような、そんな動き。
変な汗が俺の体中からフツフツと湧き出てきた

しかもそいつは足をケンケンしながら少しずつこちらへ向かって来るのがわかる。

ゲコゲコと蛙の鳴声が響く夕焼けの田んぼの中で俺は何故か動けずにソレを見ていた。
腰をクネクネさせてピョコピョコとコチラにやって来るソレに顔は無かった、と言うか見えなかった。
写真でブレた時みたいな、激しく顔を振っているそんな感じ、体は普通に見えるのに、まるで顔の部分だけぼやけていると言うか・・・。
俺は目がかすれたのかな?と思い何度も目を擦ってみたがソレの顔は相変わらず見えない、しかも、もう目の前まで来ている
「ああ、こらもう俺の人生終わったな」そう思ったと同時に涙が物凄い勢いで流れた、目が痛くて開けていられない程に・・、
俺はその痛みと恐怖で気絶してしまったらしく、次に目を開けた時には自宅の布団の中で ……


田んぼや海、山等で目撃された「くねくね」って一体・・・?
結局のところその一帯の神様なのか、又はなんか悪霊みたいなモノなのか・・・・・

調べても未だによく解りません・・・・。


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

生霊

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

536 :本当にあった怖い名無し:2007/08/27(月) 07:40:05 ID:HpI7vDCh0
家の話は簡単に言うと、家族みんな1Fのリビングにいるのに、階段から2階に上がっていく足音がしょっちゅう聞こえたり、2階からドタドタドタッ!!と走り回る音が聞こえたり父とゴルフのクラブ持って2階に確認しにいってももちろん誰もいませんでした
不気味だったので引越ししましたけどね(本当の理由は他にあるのですが)

父の話は父が大阪で入院中に、東京に出張に来ていた姉の夫が宿泊中のホテルで会って話したというお話
なんでも帰宅したら父がテーブルに座っていて、新聞を読んでいたそうです。
夫さんが、「おとうちゃん何してんの?」と聞いたら、「座ってんねん」と答えたそうです
「大阪にいるはずのおとうちゃんがなんで東京におるんや、おかしいな」と疑問に思って母に電話したそうです
その翌日に父は亡くなったんですけどね、生霊というやつでしょうか、私は信じてませんが


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

帰れる

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

533 :本当にあった怖い名無し:2007/08/27(月) 07:19:02 ID:HpI7vDCh0
長くなったので分けますね、私のばあちゃんの話しです

先月の19日ガンで入院していたばあちゃんが(入院は3度目)、
「明日家に帰れるってさ」
とお見舞いに来ていた叔父さんにいったらしく、最近変なこと言うことが多くなってきてたので(知らない男の人が夜中に病室に入って大声出したとか) 叔父さんがそれを聞いた時はまたボケてるのかな?と思っていたそうです

7/20 00:12くらいだったか、急に母親に起こされて、
「ばあちゃんが死んだよ」と。
急いで準備して母とは別々の車に乗って病院へ向かった

遅れて到着したので、母から病室を聞いてノック
入っても親戚は誰もいなかったが、気が動転していたのですぐさま「大丈夫??」と声をかけたところ、「うんうん・・」とうなずきながらナースコールのボタンを押していた
と、よくみたらおじいちゃん(他人)で別人とようやくわかって部屋を出、すぐ隣の部屋がばあちゃんの部屋でした。

ドアを開けると叔父さんがいて、ばあちゃんは意識がなく昏睡状態でした
母や叔母さんたちは先生と廊下でお話しをしていました
口には酸素マスクがかけられて、心拍数や血中酸素量を計る機械がありました
すでに顔はつめたく、目は半開き、足もむくみ、首は汗だらけで何度かタオルで拭いてあげました
「今夜が山田・・・」と不謹慎にもそう心の中で思ってしまいました
何度か看護士の方にのどや肺に詰まったたんを取ってもらったりしながら親戚が集まり、00:32くらいだったかな、血中酸素濃度がどんどん下がり、呼吸も弱くなり、ついには呼吸停止、心停止となり、先生にご臨終ですとドラマのように時計を見ながら告げらればあちゃんは亡くなりました。享年80才でした


534 :本当にあった怖い名無し:2007/08/27(月) 07:20:09 ID:HpI7vDCh0
06:00くらいに葬儀屋さんに頼んでばあちゃんを家に連れて帰り、お化粧をしてきれいにしてもらいました。
夕方叔父さんが喪主となりお通夜をして、翌々日に火葬場で最後のお別れをしました

その後は2週間くらいかけてばあちゃんの家の片づけをしました。
そこで叔父さんからこう言われたのです
「病室のベットの横で座ってたら足をぐいっとつかまれてな、部屋には昏睡状態の母さんしかいなかったのにな」
「お通夜で花を棺に入れるときがあったろ、そこでも足をひっぱられたんだ」
「火葬場で骨を器に入れるときもぐいっと引っ張られたんだ」と。
ぞっとしました

母がいうには、叔父さんは最近からだの調子が悪く、(ヘルニア、肺気腫、胃潰瘍)ばあちゃんが一緒に連れて行こうとしたんじゃないかって
あと亡くなる前日にばあちゃんが言ってた言葉の意味が後々わかりました
「明日家に帰れるってさ」

当の私はまったく霊感がなく、火葬が終わった夜に家で寝ていたら金縛りにあったくらいです
金縛りといっても今までに2回しかなったことがなく、原因は精神的なものと思っているので、体動かそうも叫ぼうも声が出ないのは承知、腕を引っ張られてもこれは精神的なもんだと理解してました
それでもちょっとは怖かったですけどね、臆病な性格なもので


2007.08.27 | | Comments(6) | Trackback(0) | ■怪異

嬉野温泉

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

404 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 18:34:22 ID:zegvWi910
ずーっと昔、高校の修学旅行の何泊目かで、九州の嬉野温泉の旅館ホテルに泊まった。
夕方部屋に入った途端、変な感じがした。
しばらくして、それは部屋がすごく傾いているためだとわかった。
入り口側の一方が低く、歩いても座っても傾きがわかる。
真っ赤に塗られた壁(変な趣味!と思った)のトイレも傾いてる。
最初はなんちゅう部屋だとみんなで笑っていろんな実験をしていたが、なんとなく居辛い雰囲気になって、バラバラに他所の部屋に遊びに行ったり、食事や風呂を含めて、だーれもその部屋に戻らなくなった。

405 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 18:34:55 ID:zegvWi910
でもいよいよ寝るときが来て、仕方なく誘い合わせて部屋に戻った。
縁側にあるテーブルに「死にたい」と彫ってあるのを誰かが見つけたのをきっかけに、「この部屋嫌だ。」「この部屋怖い。」「この部屋おかしい。」次々に言い出した。
本当は傾きを笑っていた最初の時点から感じていたのに、口にすると怖くなるからと、誰も言い出せなかっただけだった。
先生の部屋へ行って、部屋を替えてくれとみんなで言いに行く事になった。
増築で迷路みたいになってるから、探すのも大変だったけど先生の部屋へ。
みんなが泣いてるもんだから、先生も気持ちを汲んでくれたようで旅行社の添乗員に「変な部屋に泊まらせちゃダメだよ!」と言ってくれた。
「よしよし、泣くな」なんて言ってもらってちょっと落ち着いた。
病人が出たときのためにとってあった予備の部屋に替えてもらい、例の部屋の荷物をまとめるとき、洋服かけにかけておいた洋服を取ろうとしてたんすに手を入れようとしたんだけど、なんだか怖くて手を入れられない。
布団の敷き替えに来てくれていた仲居さんが「大丈夫ですよ」と変わりに手を入れてくれた瞬間、たんすの底板がギーッと音をたてて、手前に2センチほど動いてきた。
私たちも、仲居さんも大声で叫びながら後ろへ跳んで逃げた。
部屋が傾いてるから家具の底板もずれたのだと思えばそうかもしれない。
別にその隙間からオバケの手が出たのでもない。
でもそれまで充分ビビっていた女子高生にとっては、すごく怖かったです。


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

トイレ

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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380 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 03:42:16 ID:t8sVk05XO
私の高校にあった怖い話

私の通ってた高校は病院が近い上に戦時中に一度焼け落ちた学校なので色々と怖い話には事欠かない
その中の一つを紹介します

体育館の横に寄り添うように体育教師の部屋や用具室などがある棟がある
その棟を簡単に説明させてもらうと一階は教員室、二階は用具室、三階は来賓用のトイレ、四階は講堂二階席に続く通路と読んで想像つくと思うけどすごく狭い棟なんだわ
特に怖い話が集中しているのが三階のトイレ

ここはいつも鎖がしてあって使用不可になっている
来賓用のトイレってことになってるけど文化祭や体育祭、卒業式など外のお客さんが来るときでも鎖がしてある
なぜかというとそこの女子トイレで自殺者が出てどうにもその個室で色々あったらしい

一番有名なのは便器から手が伸びてくるというもの
これは噂を確かめに入った校長も体験したらしくその個室の便器をセメントで固め入れないようドアを釘で打ち付けてあるそうな

まあこんだけしても効果はない見たいだけどね
だって部活の筋トレをこのトイレの前でやる時しょっちゅう内側から叩く音がしてたもん


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■都市伝説・噂

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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378 :本当にあった怖い名無し:2007/08/22(水) 02:39:06 ID:HfsDo99eO
私が5、6歳の頃、家族と親戚で海に行くことになり、私はずっと兄と一緒に居ました。

道中、車の中で海を見ながらハシャいでいると、海の一部が白っぽく見えた気がして兄に「あそこはどうして色が違うの?」と訊いてみたのですが、兄は眉間にしわを寄せて海を見ているだけでした。

海岸についてもその一部分だけは白く濁って盛り上がったように見えました。
兄はずっと私についていてくれて、「色が違うところには近づいちゃダメ」と言っていました。

私は当然浮き輪で遊んでいたのですが、兄が目を離した隙に流されて、その色の違う場所にうっかり近づいてしまいました。
近くで見たその水面は、花が咲いているように見えました。

そのときは近くにいた叔父に頼んで兄のところまで連れていって貰ったのですが、「花が咲いていた」と言っても兄は「近づいちゃダメ」しか言いませんでした。

小学校高学年になってまた同じ海岸に行き、また同じものを見ました。
しかし今度はその正体をしっかり見たのです。

私が花だと思っていたのは、人の手でした。
水面から夥しいほどの数の人の手が様々なポーズを取って生えていたのです。

私はそれ以来、その海には行っていません。

2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

お姉ちゃん

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

357 :本当にあった怖い名無し:2007/08/21(火) 11:50:41 ID:kCumps7JO
15年位前の話ですが、当時二階の部屋を妹と共同で使っていました。
入口近くに私が、その対角に妹がベッドを置いてました。
その日は妹が先に部屋へ入り、寝入った頃に私が部屋へ…すぐに眠ってしまいました。
翌朝私が目を覚ますと、眠れなかったと妹が泣いていました。
理由を尋ねると「私が壁側向いてウツラウツラしてたら襖を開ける音がしたから『お姉ちゃんか…』と思ったら、ミシミシ足音が近づいて来て肩を凄い力で掴まれて引っ張られた」とのことでした。
ちょうど電灯が中央にあるために逆光になるので、顔は見えなかったそうですが、髪の長い人だったそうです。
妹は今までそういった類いのことを全く信じていなかったので、かなりショックを受けまして、少し精神的にヤバめな感じの時期がありました。

ちなみに妹が寝ている真下に仏壇がありました。
あまり怖くなくてすみません。


2007.08.27 | | Comments(1) | Trackback(0) | ■怪異

サイクリング部

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

216 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 21:18:56 ID:esaFRH8NO
この時期…お盆になると必ず思い出す実際にあった恐怖体験です。
いまから5~6年前なんですが、お盆休みをかねて友達と釣りに行きました。
北海道の道北にある某ダムなんですが、そこは穴場でよく釣れるという情報を聞いてました。
出発して3時間程で現場に着いたのですが、入り口手前で立ち入り禁止の看板があり、せっかくの釣りが台無しになり友達とガックリ落ち込みました。
「どうする?このまま引き返すのも寂しいよな…」というと友達が、「さっき〇〇〇の滝入り口ってのあったじゃない?ちょっと見に行かない?」

218 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 21:29:28 ID:esaFRH8NO
釣りの予定が観光気分になり、看板の矢印に沿ってその「〇〇〇の滝」を車で目指しました。
しばらく車を走らせたのですが、行けども行けども滝は見当たらなく、それどころか悪道が続き引き替えそうか迷ってところ、「あっ、向こうから誰か来る!」と友達が指差しました。
向こうから来るその集団はどうやら自転車に乗って、こちらに近付いて来ます。
オレは「よし、あの人方に聞いてみよう。もしかしたら〇〇〇の滝知ってるかもしれない!」
道の端に車を停め、その集団が来るのを待ってました。
友達が窓をあけ「すいませーん!ちょっと聞きたいコトあるんですが、すいませーん!」。
しかしその自転車に乗った集団は下を向いたままボクらを無視するように走り去ってしまいました。

221 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 21:43:42 ID:esaFRH8NO
その時、なにかタイムスリップというか…この世の時間じゃないというか…いままで体験したコトのない妙な感覚を抱いたのを覚えてます。
言葉をかけたのに無視されたのにも腹が立ちましたが、それとは違う嫌な気分が。
しかし友達は「頭くるよな!ちょっとくらい停まって話聞いてくれてもイイじゃん!」と。
「まっ、そのうち走ってたら見つかるよ」とオレは友達をなだめたりしました。
しかし行けどもその〇〇〇の滝は見付かりません。どこかで道を間違えたのか?とも思いましたが、どう考えても一本道なので迷うコトなんてありませんでした。
さらに突き進むと山の奥へどんどんと登ってるじゃないですか。
このまま引き替えそうにもいまさら面倒なのと、この先に何があるのか?という好奇心があり車をさらに走らせました。

223 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 21:56:42 ID:esaFRH8NO
車は山奥の中をひたすら突き進みました。『〇〇〇の滝入り口』という看板を見付けてから30分走ったと思います。
行けども行けども曲がりくねった砂道をひたすら脱輪しないように、友達は慎重に運転してました。
「さっきの集団が来たってコトは、どこかに抜け道があるんじゃない?それかキャンプ場とか?」友達がそう言うと、「たしかに…オレもそう思ってたんだ」。
さらに「さっきの集団ってサイクリング部かな?みんな同じような服装してたよね。きっと夏休みを利用した合宿なんだよ」と友達が言いました。
それは分かるのですが、オレには何か引っ掛かる部分…それが何かその時はハッキリ分かりませんでした。

224 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 22:07:49 ID:esaFRH8NO
さっきのサイクリング部の集団とすれちがってから10分くらい起った時です。
「あっ!また自転車発見!」。
今度は一台だけの自転車に乗った人を500メートル先くらいに見つけました。
オレは友達に「今度は絶対停まってもらおう!どこから来たのか、この先に何があるのか、ちゃんと抜け道があるのか聞いてみよ!」
友達にそういうと「うん、分かった。まかせておいて!」と頷きずきました。
さっきと同じように自転車一台通れるようにギリギリ横に避け(その時点で車一台分の道幅)、自転車が来るのを待ってました。
「すいませーん!すいませーん!」

225 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 22:16:45 ID:esaFRH8NO
自転車が見える100メートル程手前から大きな声で「すいませーん!すいませーん!」
それでも自転車は下を向いたままひたすら走ってきます。
「すいませーん!!」
その瞬間、自転車は車の横でピタッと止まりました。
ちょっと唖然とした空気が流れました「すいません…この先って抜け道ありますか?」
ボクがそう訪ねると、自転車に乗った少年は下をうつ向いたまた少年は「あの…あの…」。
何を言ってるのか分からず「はい?」とオレは聞き返しました。
「あの…水…水ありますか?」。
えっ?とは思ったけど、車にミネラルウォータのペットボトルがあったので「これ飲んでいいですよ」と少年に差し出しました。

227 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 22:27:17 ID:esaFRH8NO
真っ黒に日焼けしたその顔の少年は脇目も気にせず「ゴク!ゴク!ゴク…」と一気に飲み干すと「サイクリング部の集団とすれちがいましたか?」と聞いてきました。
「あっ、その集団ならかなり先に行ったと思うよ?もしかしてキミも同じ…」
そう言い伝えると少年は「ありがとうございます…」と言って自転車に跨り、また走り去ってしまいました。
ボクらは呆気にとられポカーンとその少年を見てるだけでした。
でも、その時…さっき感じた「何かおかしい」が納得できました。
それは着ている服、自転車、ヘルメット、全て古いのです。
今の時代には違和感を感じてしまう程の古い装備をした少年。さっきの集団もそうでした。

228 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 22:38:06 ID:esaFRH8NO
オレは友達に「ねぇ…さっきの集団といい、あの少年といい何か古くない?」と言うと、「オレもそれ思った。なんか一昔前のサイクリング部だよね」と。
少年は立ち去ってしまい抜け道のコトも何も聞けずにボクらはさらに車を進めました。
行けども行けども曲がりくねった道を進めると、オレも友達もその辺りから何か異様なフインキを感じてました。
「まさかと思うけど…まさかね!」。オレが笑って答えると友達が「でもさっきの奴の顔見た?汗ダラダラで目かっぴらいて、今日は暑いから分からなくないけど尋常じゃないよ?」
たしかにそう思いましたが、こんな真っ昼間からお化けなんて…しかも話もしたし。
いつの間にか車は山の頂上付近まで辿り着きました。

229 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 22:48:07 ID:esaFRH8NO
頂上付近に差し掛かると車一台分をないくらいの細い道幅になってました。
「これ以上先進むのマズくない?ちょっと車停めよう!」。
オレがそう言うと友達も「うん、こんな所で脱輪したら大変だからね。ちょっとこの先どうなってるか車降りて見てみよ!」。
二人は車を降り、砂道を歩いて道の先を歩いてみました。しばらく歩くと曲がり角にぶつかりました。
曲がり角を曲がると…なんと道が無いのです。正確に言うと車が通れる程の道幅が無いのです。
そこには一本の細い道があり、その先には階段がありました。
「えっ!マジで?なんで?さっきのサイクリング部はどっから着たの?」
二人は混乱してましたが、とりあえず先に見える階段を上ってみました。そこにあったのは…

233 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 23:25:33 ID:esaFRH8NO
そこにあったのは『慰霊碑』と呼ぶにふさわしい高さの塔がポツンと立ってました。
オレは「まさか…」と思いましたが、自分の目で確かめてみたい気がして、その『慰霊碑』の目の前に立ってました。
すると…
『昭和〇〇年〇〇〇県立〇〇〇サイクリング部 ここに眠る…』
背筋から頭にかけてピーンと寒気を感じました。「まさか…さっきの…」。オレと友達は目を合わせ「まずい、これはまずい!」と言葉にならない声でお互いを見つめ合いました。
一目散でその場を去り、オレが車を誘導しながらゆっくりとバックで引き換えしました。

235 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 23:36:10 ID:esaFRH8NO
バックで引き換えした途中に見忘れてたのか…農道が横道にあったので、そこをひたすら走りました。
しばらくするとキャンプ場があり、とりあえずそこに車を停めキャンプ場の管理人にこの場所がどこなのか訪ねました。
管理人は「ここは〇〇〇キャンプ場です。本日ご予約したお客様ですか?」と訪ねられると「いいえ。ボクらは道に迷い、あの農道からこのキャンプ場にたどり着いたのです。」
そう説明すると管理人は「えっ?あの道は通行止めになってませんでしたか?〇〇〇峠ですよね?向こうからは入れないはずですよ?」と。
今までの経緯を管理人に話すと「そうでしたか…ボクも詳しく分からないけど、今から数十年前にこのキャンプ場を出発した〇〇〇県のサイクリング部が落石事故に合ったみたいで、〇〇〇峠にそういった慰霊塔がある話は聞いたコトがあります」。

236 :本当にあった怖い名無し:2007/08/16(木) 23:46:46 ID:esaFRH8NO
さらに管理人は「今日はお盆ですから…もしかして誰かに自分達の存在を忘れてほしくなかった。それであなた達の前に現れたのではないでしょうか?」。
誰も信じようにもないような話だけど、その管理人さんは黙ってボクらの体験を聞いてくれました。
それから友達とその〇〇〇峠の方向に残っていたペットボトルを置き、手を合わせ帰宅しました。

これがある年の暑いお盆に起こった本当の話です。自分自身、あの世とか霊とか信じない人間でしたが、やはりこういったコトってあるんですよね。
みなさんの後ろにもw
では長々とした文章にお付き合いしてくれた方々ありがとうございました。


2007.08.27 | | Comments(3) | Trackback(0) | ■怪異

人形

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

170- :本当にあった怖い名無し:2007/08/14(火) 21:10:20 ID:w/XDX/SXO
去年の夏の約一ヶ月の事を書くから少し長くなる
気の長い、ヒマなヤツだけ聞いてくれ、信じる信じないも読む人の自由だ
だけど、この話はオレが去年の夏、確かに経験した事だ

去年の夏、姉の旦那の実家に遊びに行った
海も近いし、静かないい所だった。
旦那はと言えば三ヶ月の単身赴任で、その夏も御盆の時に帰ってきただけだという。
義父母と義兄夫婦の住む母屋は別にあり
だからオレにとっては、姉と、それぞれ8歳と5歳になる姉の息子と娘だけの、いわば気楽な夏だった。
ある日の夕方、廊下で姪とすれ違った。
よく見ると胸に一体の見慣れない人形を抱いている。
日本の抱き人形で、少し色が褪せてはいるが、まだ充分、遊べそうな人形だった。
母屋からでも持ち出してきたのだろうか、オレは軽い気持ちで聞いてみた。
けれどそれには答えずに、姪はとっとと自分の部屋に入ってしまった。
いつもは素直ないい子なのに、なにかイケナイ事を聞いただろうか、オレは。

夕食の後、先の気まずさを取りなそうと、またあの人形を話題にあげて誉めあげた。
すると流しで洗い物をしていた姉が耳ざとく聞きとがめて、改めて娘に問い質した。
一瞬しまったかな、と思ったが、どこかで拾ってきたのならダニでもついてたら大変だ
バツの悪さをそう思いこむことにして、オレも姉と一緒になって問いかけた。
しかし姪は、がんとして口を割ろうとしない
そこへ傍でテレビゲームをしていた甥が会話に入ってきた。
その人形、近くの○○神社から持ってきたものだと言う。
丁度その時、甥は神社の奥の森で友達と虫を捕まえていたので、一部始終を見ていたのだと得意気に言う。
そこで甥はしまった、という顔をした。
なんでも神社の奥というものは神様が住むところだから入ってはいけないものだと言う、まして生き物を捕るなどは、ということらしい。
特にあの神社は地元に古くからあるものだから、と姉は付け加えた。

その神社は姉の家から子供の足で20分くらいの山の中にある。
山の中と言っても斜面を石段が続いており、中腹の辺りに神社の境内が開けている
相当古くからあるらしく、姉の義父母が子供の頃からすでにあったそうで、いつからあるのかはよく知らないということだ。
なにやら由緒ありげな神社だが、神主、管理者は常駐しておらず
普段は町の方に住んでいるそうで、何かの行事のときにだけ上がってくるらしい。
その神社、オレもここへ来た最初の日に散歩がてら散策してみた。
境内のの右手を入った所に、左右と背面を板、全面を木で出来た格子でかこった、幅120㎝、高さにして160㎝くらいの物置みたいなものがある。
格子の上部は40㎝程開いていて、そこから破魔矢やウチワ、御札、注連縄、それから人形、ヌイグルミと、普段ゴミと一緒に捨てるには、なんとなくはばかられるような物が入れられている
おそらく、ある決まった日に神主の立ち会いの元、処分されるのだろう。
どうやら姪は、そこからあの人形を持ち出したらしい。
神事に疎いオレも姉と顔を見合わせて、ヤレヤレ困った事をしてくれた、と思った。

すぐに神社に返さなければ、とは思ったが既に日は落ちている
田舎の夜は暗い。
それに石段の登り口までは街灯もなく、車一台がやっと通れるような道だった。
だから翌朝、朝食を食べる前に、姉とオレ、そして姪と三人で行こうという事になった。
その間、姪は始終無言だったと記憶している。

夜中、姉に割り振られた部屋でオレは寝るでもなく、起きるでもなくうつらうつらと天井を見ていた
するとスーッと襖の開く音がした
さすがに田舎の夜の静かさの中で弛緩していたオレはビクっとした。
襖の方を見ると、小さな黒い影が立っていた
甥だった。

甥は枕元で、隣の部屋で話し声がする、お母さんを起こしても起きないという、妹がいないとも。
姪は自分の部屋は持っていたが、夜は母親の部屋で共に寝る
その部屋に姪がいない、真夜中だぞ?
オレと甥は隣の部屋、つまり姪の部屋へ様子を見に行った。
部屋の前に来て耳をそばだてると確かに話し声がする
腰にしがみつく甥が妹の名を呼んだ
とたん話し声がピタリととまった
そーっと襖を開けた
姪が真っ暗な中、膝に何かを置いていた。
入り口の電灯のスイッチを入れた
膝に置いていたのは、あの人形だった。
姪は眩しそうに、半ば呆けた顔をしてこっちを見ていた。
オレと甥は、しばし呆然と立っていたが、とにかく姪を姉の部屋に送る事にした。
姪の布団をめくり、姪をその上に寝かせると、さすがに姉も目を覚ました。
オレも気が付かなかったが、姪はあの人形を持っていた
その髪の毛の感触に吃驚したのだろうと思う
姉は小さく悲鳴を上げると、姪の手から人形を取り上げると、放り投げた
人形は壁に当たりボタッと落ちた。
オレのいる角度から見ると、落ちた人形は姉の事を睨んでいるように見えた。

怪談噺が好きで、いろいろ聞きかじったし、あちこち凸もした
だから虚実含めて大抵の事には驚かないつもりだったけど
その時は、何かホントにヤバいんじゃないかと思った、 何かほんとに良くないことが起こるんじゃないか、と。
正直、怖かった、出来れば荷物まとめて東京に帰りたいほどに。

あまり寝付けないまま夜を過ごし、翌朝起きると昨夜の計画通りにオレ達は神社に向かった
例の箱の前に立ち、姉は姪を促した
意外にも姪はすんなりそれに従った、多少は抵抗するとも思ったのだが
その前で手を合わせ、社の前でまた手を合わせて、オレ達は神社を後にした。
その日姉は、明日は姪の幼稚園でお泊まり保育があるというので、町まで新しいパジャマを買いに姪と出掛けていった
オレと甥は二人でテレビゲームをして過ごした
姉が用意しておいてくれた昼食を食べた後、オレ達は再びゲームに興じた。
と、突然、二階のトイレで水を流す音がした(その家は一階と二階それぞれにトイレがあった)
姉と姪は出掛けている、甥は今、目の前でゲームをしている
オレは甥をそこに残して二階へ様子を見に行った
トイレのドアは少し開いていた、だが中には誰もいない
念のため他の部屋も調べてみたが、やはり誰もいない
あるいは前に入った時に、水洗のコックが不完全に戻っていたか
昨夜の事があったから、妙に神経質になっている
こういう時こそ判断を誤る、まず第一に合理的、科学的に考える事、直感で物事を判断してはいけない

やがて夕方になり姉と姪が帰ってきた、二人とも別段変わった様子はない
夕食の際、姪は妙に口数が少なく、また姉も姪も少し食欲が無いようだった
その事を問うと、なんでも二人とも口内炎ができていて沁みるんだそうな。
姪の口を開けさせて見てみるとなる程、咥内に赤い血膨れのようなものがいくつか見受けられた
昼に何か刺激物でも食べたのかと重ねて問うと、ざる蕎麦だと言う
夏の疲れが出たのだろうと姉は言うが、二人同時にとは、何か釈然としないものを感じながら、その日は終わった。

翌朝、朝食の折りに姉の顔を見ると、首の下、鎖骨の辺りに赤い斑点が幾つもあった、毛細血管が浮き上がったような、小さな蜘蛛の巣のような斑紋だ
さらによく見ると、袖無しのブラウスから覗く二の腕にも同じ様な斑紋がある。
オレは結構な酒飲みで、健康診断の際にはいつも肝臓を指摘されるので知っている
蜘蛛状血管腫、血管の塊である肝臓が詰まることで、血液が他の経路へバイパスするためにおこる症状らしい
しかし姉は酒は一滴も飲めない
また、これまでに一度も肝炎などを指摘された事はないはずだし、輸血をしたこともないと言う
姪は今朝は大人しく食べ物を口に運んでいた、口内炎はもうひけたと言う

昼近くになり、しきりに体のダルさを訴える姉は、姪を幼稚園に送りに出た
姉達を玄関で見送った後、オレは甥とブラリとその辺りへ散歩に出掛けた
まだ暑い陽の盛りだったが、太陽の下を、雑貨屋で買ったアイスなどを頬張りながら歩いていると、まさに日本の夏休みという感じだ
水田に広がる青い稲穂が風に揺れて涼しげだったと覚えている
何の気なしに足があの神社の方に向いた
長い石段を登り、社の前に立つとオレは小銭入れから五円玉を出し、甥にも渡して賽銭箱に入れると手を合わせた
その後、あの箱に向かった
人形がなかった
様々な物が捨てられた、その一番上に置いたあの人形がどこを見ても無い。

オレは甥を連れて家に戻ることにした
帰ると姉は既に戻っており、日当たりををしたと言って、茶の間で横になっていた。
姉の家と言っても、主のいない部屋を他人が勝手に覗くのも気が咎める
オレは甥に頼んで姪の部屋を調べてもらう事にした、あの人形がないかどうかを。
15分程で甥は戻ってきたが、オモチャ箱から押入まで探したけど、人形など無いと言う
それならばそれでいい
だいたい、昨日は町へ買い物、今日は幼稚園なのだから神社に行く時間などあるわけないのだ
それよりも今考えなくてはならないのは姉の事だ、オレは人形の事は考えない事にした
姉のところへ行くと自室で休んでいるよう促し、明日にでも病院に行くことを提案した
それでオレの出来る事は全てだった
料理も洗濯も家事は何も出来ないに等しい
結局その日の夕飯は甥と店屋物をつつく事になった。

夕食を食べ終わると程なくして電話が鳴った、出ると姉の旦那だった
彼は三日おきに電話を掛ける事にしている
オレは一瞬、姉の事を言おうか迷ったが、出先の相手に心配を掛けるのも悪い
夫婦の間で必要な事なら、姉自身が話すだろう
姉に替わると互いの近況報告が始まったようだ
受話器置いて、姉は再び自室に戻って行った
漏れ聞こえてきた会話の様子から自身の身体の事を話した様子は無いようだった。

翌日、朝食を取ったらすぐにオレの運転で病院に行くことにした
そして診察を終えたら、その足で姪を幼稚園へ迎えに行く、そんな段取りだった
しかし病院では意外と待たされた
総合病院という大きな病院はこの辺りではここしかないからだろう、最初に通された内科では結構な人が待っていた。
姉は電話機の所へ行くと、幼稚園に掛け事情を話し、少し迎えの時間が遅れる事、それまで少し預かっていて欲しい旨を伝えた。
ようやく姉の名前が呼ばれ、彼女は診察室に入って行った
20分程で出てきたが、今度は検査室で採血とエコーだと言う
ほんとは採血から触診、心電~CTと一通りのコースになっているらしいのだが、事情を話し少し巻きを入れてもらったそうだ。
やはり疑われるのは肝臓だそうだ、それと何らかのアレルギー、肝臓の持病の有無と最近の食事をまず聞かれたそうだ。
採血はともかく、エコーは時間が掛かった、念入りに、ということたろう。
検査が終わり、薬局で何かの薬を貰うと、オレ達は急いで幼稚園に向かった。
検査の結果は週明けということだ、たしかその日は週の中頃だったと思う。

幼稚園に着き教室に入ると姪が先生に本を読んでもらいながら昼寝をしていた
姉を見て二人は立ち上がると互いに挨拶を交わし、姉は遅れた事を詫び、先生は昨日の姪の様子を報告した。
その中で気になる事があった
先生が夜中、見回りのために起きると姪の布団が空だったそうだ
驚いて他の先生方を起こしてトイレや他の教室を探したが見当たらない、全員青くなったそうだ、それはそうだろう
結局、姪は見つかった、幼稚園の門の所に一人でボーっと立っていたそうだ
先生は詫びるとともに、きっと寝ぼけたんでしょう、と笑いながら言ってはくれたが
オレには姉が眉を顰めるのがわかった。
帰りの車内では姉も姪も口数が少なかった。
徘徊癖でもあるのだろうか、この子は
幼い子が自立するとき、一時オネショをしたり、そんな癖が出るという事を何かの本で読んだことがある
同時にオレが離婚する前(実はバツイチ)、娘がちょうど姪と同じくらいの歳の時、義父が死んで丁度四十九日になる日の夜中、やはり同じ様な事があったのを思い出した
その時は2DKの狭いアパート、探すまでもなかったが。
娘は玄関の前に立っていた、ドアの向こうにジージが来ていると。

家に着くと、甥は茶の間で寝ていた。
クーラーがよく効いていて、甥はゲームのコントローラーを握ったままグッスリと寝ていた
コントローラーを離し、タオルを掛けてやろうと思い甥の傍に屈み込んで気が付いた
その頬に一筋、髪の毛が張り付いていた
クセのある甥や姪の髪の毛ではない
また薄く茶色染めた姉の髪の毛でもない
ましてや短く刈り上げたオレのものではない
ショートカットくらいの黒い、太目の髪だった。
それを手ではらってやると、コントローラーを仕舞い、タオルをかけてやると、その場に座り直し再び姉と姪の事を考えた、再度頭をもたげてきた人形の事はなるべく考えずに。

しかし考えの途中で、ふと思い当たる事があった
ダニやカビの中には、アレルギーを誘発したり、内臓に損傷を与えるものがあることを思い出したのだ
それがあの人形に付着していたとすれば?
充分に考えられる事だ。
幸い学生時代の友人に芳香剤の開発室に勤めている奴がいた、かなり畑は違うが顕微鏡くらいはあるだろう、そいつに頼めば調べてくれるかもしれない。
もとから楽天的なオレは安易にそう結論付けた。
しかし、解せないのは何故、口内炎を同時に患いしかも、姪は一晩で収まり姉はまだ続いているのか
抵抗力の問題か、それなら子供の方が低い気がする
あるいは体質か。
とにかく、あの人形からサンプルを取らなくてはならない
昨日は無かったが、明日もう一度よく探してみようと思った
まずは来週の検査の結果を待って、必要ならば友人にそれを送ろう。
雑貨屋で軍手とピンセットも買った方がいいかもしれない。

その日オレと姉は昼飯も食っていなかったが、もう陽は傾いていた
姉はダルそうであったが、強いて子供達のために夕食を作った、この余計者の為にも
肩身の狭い思いがしたが、今はこの親子の側にいた方がいい気もする
そして検査の結果次第では義兄にも話しを通した方がいいかもしれない
そこまで考えてオレはハタと気が付いた
母屋はどうした、まず姉の義父母、義兄達に相談すればいいではないか

その晩、何故か甥が一人で寝るのを非常に嫌がって、結局オレの部屋で一緒に寝ることになった。
オレにあてがわれた部屋は二階の真ん中の部屋
二階にはこの部屋の両脇に、一つは半ば納戸代わりに使われている四畳半くらいの部屋が一番奥に
もう一つは義兄が書斎として使っている部屋が階段寄りにある。
甥と姪の部屋、それから姉夫婦と姪の寝室は一階にある。
建て売りではない、設計士が義兄と相談しながら図面を引き
地元の大工が建てた割合としっかりした造りの家だ。
建ててまだ10年建っていない。
その家が微かにだが揺れだした
地震、小さいが確かに揺れている
まだ起きていた甥が布団から飛び出して、しがみついてきた。

けっこう長く揺れが続いたような気がしたが、実際には10秒位ではなかったろうか、オレもあの地の底の唸りのような地震というものは嫌いだ
揺れが完全に収まると、オレはまた一昨日の夜と同じ様に、甥を腰にまとわりつかせて階下に姉たちの様子を見に行った
部屋の前に立ち襖を軽く叩いた、応答はない
そっと開けてみると、姉も姪も寝ていた
小さくはあったが、かなり小刻みに揺れていたはずだ
二人とも余程疲れているのか、眠りが深いのか

襖を閉めて、茶の間に入るとカーテンを開けて母屋の様子を伺った
この家と母屋の位置関係は互いの家が見えにくかったが電灯は点いていないようだ
念のため窓を開け庭に降りてみた
やはり誰も起き出してきてはいないようだ
もっとも震度2程度なら気が付かなくても無理ないか
でも毎年この時期になると毎年、東海沖地震が囁かれる中、静岡に住んでるならもう少しデリケートであって欲しいとも思う。
振り返って家の方を見る
甥が窓際でこちらを見てる、逆光で表情は見えない
茶の間に戻り甥を二階に促す、瞬きが妙に少ない
まだ怯えていた、甥もオレも。
とたん東京に帰りたくなった、娘と、二人の息子に会いたくなった。

甥と二人、再び布団の上に横になった
昼間の事がまだ頭の中に残っていて、念の為、甥に聞いてみた
あの人形の事、何か知らないか
あるいは、あの人形、どこかに移動しなかったか
甥を疑っているわけではなかった、ただ念の為
昼間、頬にあの髪の毛が張り付いていたのが気になっていたから
あるいは人形の件は甥の質の悪い悪戯か
みんなが、いやこの時点ではオレと甥だけだったか、疑心暗鬼になっていた気がした
甥は、知らないと言った、あの人形には触りたくないとも。
オレも同感だよ。
翌日、オレは神社に行った。
かなり探したが、やはり人形は無かった
あるいは猫がくわえて、縁の下にでも持ち込んだか
そこまで探した
シンの三柱(スマン漢字が出てこない)、この下にもあったのかどうか、そこまで確かめる余裕はなかった
ただ帰り際に古びだ板に書かれた、この神社の祭神を読んだ
素戔嗚尊、櫛稲田姫尊、それともう一つ、読みがまったくワカラン、毒蛇気神尊
ドクジャキシンノミコト!?
この読みが分からない為、オレ達は結局苦労した

肝心の人形が見つからずオレは途方にくれた
しかし、何もあの人形でなくても、同じ場所にあった物なら同じ物が付着しているかもしれない
姪がどの辺りから、あの人形を引っ張り出したのかはしらないが、とりあえずオレは、箱の中に積まれている物から
上層部から一点
中頃から一点
それと下の方に格子からはみ出てる破魔矢の羽根に黒いシミがあったものだから、ついでにそれも
計三点それぞれの一部を切り取ってケースの中に収めた
その日、神社から帰った後、オレは母家に行った
姉の様子を少し伝えておいた方がいいと思ったからだ
ついでに、あの神社の管理者、あるいは神主の住所も尋ねてみようと思ったが説明するのが難しい
結局その日は聞かずにおいた
この家でスイカを馳走になった、身の黄色い小玉西瓜だった、種が少なく、よく冷えていて非常に美味だった
姉にとっては義姉にあたる、小柄だが気さくな奥さんが、ウチではまだ西瓜を井戸で冷やしてる、と半ば自嘲気味に
半ばは自慢げに言っていた

そう、この敷地には井戸があった
この地方は海が近いが、ワサビの名産地でも知られる水の綺麗な所でもある
そして水を大切にする所だ
その井戸の傍らに木でできた小さな祠、稲荷のようなものがある
毎朝その前には白米、菓子などを供えるのがこの家の決まり事だ
何を祭っているのか、まだはっきりとは聞いたことはない
が、水を鎮る神様だと言う
昔、この地方を悪い疫病が襲い多数の死者が出たらしい
手を尽くしたあげく、原因は水から、となったらしい
それからだそうだ、どの家でも井戸の傍らに祠を置くようになったのは
母家を辞して姉の家に戻った頃は、もう昼時になっていた
ただそれがどれくらいの昔なのかはわからない

素麺のツユを垂らすなと、姉が姪を叱っている
姉の顔に、以前にはない険があるようだ、母家の奥さんの朗らかな顔を思い出しながらそう思った
午後は本屋に行くつもりだった
この時点でオレは神秘主義に陥っているつもりはなかった、ただ何となくあの神社の祭神に興味を惹かれたからだ

日本の神々、似たような本は何冊かあった
どれも素戔嗚尊、櫛稲田姫尊の名はあるのだが、毒蛇気神尊の名はどの本にも見当たらなかった
姉の家にはパソコンがない
仕方なく予め状況を掻い摘んで報せておいた、先の友人にネットで検索してもらう事にした

素戔嗚尊、本には元々は出雲の地方神だったらしいがインドの祇園信仰と融合する事で全国で祭られるようになったらしいと書かれている
説明は省くが牛頭天王と同一と見られる事が多いそうだ
八坂神社、氷川神社に祭られる
御利益は災厄、疫病を除くと書いてあった。
櫛稲田姫の方は古事記では櫛名田比売、日本書記では奇稲田姫と書くらしい、素戔嗚尊の妻
有名な八岐大蛇退治のヒロイン
名が示す通り、稲、水田の神様
素戔嗚尊が祭られている神社には大抵一緒に祭られているらしい
他にも色々書いてあったがよく解らんし退屈だ
本を枕に寝てしまった

目を覚ますともう日が暮れかけていた
またか、と憂鬱になる
最近、夜になるのが怖いような気がするのはオレだけだろうか
とりあえず飯を食わせてもらいに階下に降りる
姉は相変わらず辛そうだったが皿を並べている、甥がそれを手伝っていた
オレも手を貸そうとしたところへポケットの中の携帯が鳴った
東京の友人からだ
オレは通話にして庭におりた
彼の話を要約すると、毒蛇気神尊の言葉にヒットするサイトは五件にも満たなかったそうだ
しかし、この同じ静岡県にあの神社とまったく同じ三柱を祭る神社があるそうだ
ただ、そちらの方は神主も常駐しており、由緒も正しいなかなかに大きな神社らしい

関係者に迷惑が掛かるのでこれ以上の事は書けない

どうも牛頭天王と婆梨妻妻女との間の子、八王子の内の誰か、あるいはその子孫の誰かのことを指すらしい
なんの神なのか、なんと読むのか、それ以上詳しい事は、その時は解らなかった。
礼を言って携帯を切った
家の方へ振り向くと窓が開けっ放しだったことに気が付いた。
うっかりしていた、蚊が入ってくる
オレは家の中に入り窓を閉めた。

その晩も甥は枕を抱いてオレの部屋にやって来た
だが昨晩よりも幾らか表情が和らいでいたので、オレも少しは緊張が解けた
同時に、姪も姉と共にやってきた
さすがに姉も気になるんだろう
もしもウツる病気ならば困るから、しばらくオレの部屋で寝かせて欲しいと。
それならば、姉が作った料理を毎日食べ、同じコップで水を飲んでいるオレ達にとっては、科学的にはあまり説得力のない提案だとは思ったが、ここは姉の言葉に従った

今ならわかる、当時離婚したばかりのオレは、小さな、頼りない命に餓えていた、誰かを、全力で守りたかった

甥が姪の布団を抱えて上がってきた
甥にとってはキャンプな気分だったのかもしれない

この二人に限らず、親類の子供達にあう度に、愚にもつかない怪談話をして、怖がらせては面白がっていたオレだった
だが、この時はそんな気分でもなかったし
また、そんな雰囲気でもなかった
で、オレはスサノオのオロチ退治の話をしてやることにした
今日買った本の内容を子供向きにして
今から思うと子供には充分コワいか

最初に甥が寝た

姪の方はまだ眼が冴え冴えと、じっと天井を見ていた
次に寝てしまったのはオレらしい

夜中、顔にサワサワと顔に何かがあたる感じがして、くすぐったくて目を覚ました
こじ開けるようにして瞼を持ち上げた
目の前、顔のすぐ近くにあの人形の顔があった
頬に人形の髪の毛があたっていた
人形の肩の辺りに小さな指が見える
人形の顔の、そのまた背後に姪の顔が見える
姪が人形を捧げ持ちオレに向けて何かを喋ってた
人形にオレを紹介してるのか?
体が動かなかった
目玉だけが、ただギョロギョロと自由に動かせた
声も出なかった
悲鳴をあげるのは、生涯、後にも先にもこの時だけのために取っておいたのに

ここで、当時のオレの状況を説明しておく
姉の家に居候していた時、オレは離婚を機にそれまで15年勤めた会社を辞めていた
結婚と同じ様に、離婚もまた体力と精神力を消耗する
しかも結婚は二人の共同作業だが、離婚は独りの戦いになる
疲れていた、心身共に
退職金は丸々元妻に渡したが、失業手当は 三ヶ月は出るのだし
前に来て、この街の風景が気に入っていたから、少し静養するつもりだった、もちろん三ヶ月丸々ここに居座るつもりはなかったが
丁度、旦那が単身赴任、姉夫婦にとっても悪い話ではなかった、いわゆる番犬がわりだ
ことわっておくが、オレは腕に自信はない、非戦闘民族だ
オカルトは好きだが、呪文などしらない
そして疲れてもいた
この状況下でオレに何ができたろう
全てが見間違い、勘違いの世界ではなかったか
今、他人と変わりない日常を送っているオレはそう思う、あれは本当に現実のことだったのか
だからこうして書く、一つひとつ、当時の事を思い出しながら

話をその晩に戻す
人形はオレの顔の前にあった
オレは金縛りにあったように動けない
今まで、金縛り、って現象に出会った事は何度かあった
だけど、瞼を閉じることも出来ない、そんな金縛りははじめてだった
それに、姪が呟いている、この言葉は何語だ?
もとより西洋圏の言葉でないのはわかる
でも、中国、韓国、そんな言葉でもない
強いて言えばやはり日本語か
も少し、日本語勉強しとくべきだった
ソミンって言葉、皆知ってるか?
当時のオレは全く知らなかった

結局、そのまま人形とにらめっこをしているわけにもいかず、オレはいつしか寝てしまったようだ
瞼が閉じれた所までは覚えている
朝起きるとオレと姪の布団の間にその人形が置かれてあった
その時、改めてくだらない事に気が付いた、人形って、いつ寝るのだろうか
隣に寝ている姪もまた、目を開けてジッと天井を見ていた、この子は昨夜寝たんだろうか
昨夜の事が、夢か現実なのかよく解らないまま、甥を起こし、三人で階下に降りた
いつものように朝食が出来ていた
姉は首の下、二の腕に以前あの斑紋はあったが、今朝は心なしか気分がいいように見えた
それに姪があの人形を抱いていることにも、何も言わなかった
むしろ、甥の方があの人形を部屋に置いてくるように、しつこく妹に言っていた

食事の後、甥がやってきてオレの耳元で囁いた
昨日の夜は怖かったでしょ、と
見ていたらしい、昨夜の事を
そこでオレは改めて、あれが夢ではなかったと思うと共に、あの人形がどうして再びこの家に来たのかを思った
あの神社に人形を戻しに行った日から、姪は神社に行く時間など無い
強いて言えば昨日オレが本屋に行ったときか
だが姪も姉も出掛けた様子はなかったが
甥はその時間、学校のプールに行っていて、知らないという

姪が人形を抱いて玄関を出るのが見えた
どこへ行くのかと思えば母屋へ行ったらしい
この家、母屋と反対側に玄関がある
つまり通りに面してそれぞれに玄関があるわけだ
通りに出ても互いに行き来はできるが、普段は庭を突っ切って、互いの茶の間から出入りしている
だから姪がわざわざ通りに出るのを見て、回りくどいことだと思った

その姪が、今度は母屋の茶の間から出てきて、祖父の(彼女から見て)手を引いて庭に降りてくるのが見えた
どうやら蔵に入るらしい
人形の事は一時忘れて、オレは好奇心に駆られた
あの薄茶の土壁の蔵、オレも前々から興味を持っていたが、まだ入った耕とはなかった
オレはさっそく甥を誘って庭に降りた

蔵には普段は黒くてゴツい鍵が掛けられているのだが、思った通りその時は外されて扉は開け放たれていた
オレは中にいる老人に軽く会釈をすると、甥とともに中に入った
何を出すのか、とオレは聞いた、手伝いますとも
老人の話では、そんなにたいそうな物ではないらしい
これくらいの、と言って彼は胸の前に手を広げて見せた
小さな木の箱らしい
姪の方を見ながら、どこに仕舞ったか覚えとらんぞ、というような事を言って、またそこいらを探し始めた
甥が妹に、何を探させているのかと聞いた
姪が答える
ソミンショウライフ
ゴズテンノウサイモン
何語だそれ?
ゴズテンノウはわかったが後の言葉は解らなかった
だが姪はかなり明瞭にその言葉を言った
そして甥もまた、ジィチャン、あれ蔵に入れてるのか、バチあたるぞ、そんな意味の事を言った
爺様答えて、古いやつはな。

蔵には他にも鎧甲やら長持ちやら、興味を引きそうな物が色々とあったが
その聞き慣れない言葉に、幾分かの肌寒さとともにオレの耳は釘付けになった

蘇民将来符、そういう字を書くそうだ
オレにとっては、その言葉、聞くのも初めてだったし、その実物を見るのも初めてだった
それを納めた箱は幾つもあった
何れも中に納めた将来符は大きさもまちまちだった
ただ形は断面が六角形であり、先が尖って、何かチビた鉛筆のようだった
その鉛筆の腹には絵と文字が書いてある
中には飴色をしたものもあり、その色からして相当古そうな物もある
牛頭天皇祭文、こちらの方は将来符の縁起を記したもの
牛頭天皇、今は素戔嗚尊と同一視される事が多い
蘇民に茅の穂を渡し、我は素戔嗚尊なり、そう言って去っていった風来坊
何れも、信濃、今の長野県の国分寺が有名なので、ググればすぐ見つかるから興味がある方は引いてみるといいだろう
国分寺では、毎年一月の7日と8日にその護符が配布?されるそうだ
効能は災難を取り除く?
但し表面に書かれた言葉によって多少、その意味が違うそうだが

小難しい話は少し置く
実際、当時、友人(めんどくさいから、以後、メタギアのオタコンにするな、実際よく似てる)
からの情報では、あまりに聞き慣れない漢字が多く、その場ではよく理解できなかった

ただ何故、姪がそんな物を欲しがったのか
それは爺様の次の言葉で合点がいった
母さん早く良くなるといいな、と
なる程、疫病にとらわれていたが、病全般に効くものものだろ、この将来符とやらは
翌日は、病院へ姉の検査の結果を聞きに行く

姪はその将来符の内、手のひらに収まる位の、一番小さいものを手に取ると、それを人形の帯に挟み込んだ
人形の不思議さがまた一段増した気がした。
聞いたところでは、本来は将来符というのは、家の中、神棚や鴨居の上に並べ立てて置くものだそうだ
けれどその家では何年か前の、静岡に地震が頻発した際に落ちてきて、太い鉛筆のような尖った先端が爺様の頭を直撃したそうで、以来、箱に収めて蔵に入れたそうである
材質は主に柳だそうだが、他に桐やタラも使うそうだ、何れ大きなやつならば、結構重かろう

蔵を辞すとオレは甥を連れて姉の家に戻った
姪の方は母屋の子供と遊ぶと言い、爺様と母屋に向かった
途中、井戸の横を通り過ぎる、祠にその日は桃が備えられていた、昨日は何だったろうか。
家に戻ると姉が今し方、地震があったと言う、けっこう揺れたと。
確かに蔵というものは堅牢な造りのものだというが、それにしても中には細々としたものがいくらも積まれてあって、それらがカタリともしなかった。
先の夜の事があったから、甥の口は開けたままになった。

家鳴り、その殆どは排水溝や、近くを走る高速道路などの振動が、ある特定の場所に伝わるもの、つまり一種の共鳴現象だ。
だが、そうとも言えない、とても共鳴とは言えないほどの揺れを体験した人もいるという、日本にも外国にも。
家鳴りとは違うが、昔、山に行ったとき、麓の河原の側で一泊した
オレ達以外に野営している者は付近にはいなかった
近くに古びた神社があった
閂が差し込んであるだけだったので、面白半分に友人と忍び込んだ
暫くして板壁の左右、後ろを、モノ凄い勢いで叩かれた、地震なのか、獣でも壁に突っ込んだのか、今もって解らない

とにかくオレは部屋に戻ると、机の上に念のために水を入れたコップを置いた
その時に、出来ることがあれば、取り合えずやってみる主義だ
一時間程して姪が戻ってきた
スーパーの袋に、母屋から桃を貰ったと、幾つか入れて帰ってきた、たぶん祠に供えてあったのと同じ桃だろう
何故か姪は、夕食を前にしてそれを剥けとせがんだ
よく冷えた桃だったが、一つだけヌルイのがあった、祠に供えてあったものだろうか。

その晩、コップの水に波紋はでなかった
今日もオレの部屋で寝る甥と姪は、始終、興味深げにコップの表面を眺めていた
姪は、今日は人形を持ってこなかった、部屋に置いてきたと言う。

翌日、姉と、姪を連れて病院に向かった
病院という所は意外と病気を貰うところで、姉は姪を連れて行くのは嫌がったが、何故かオレは目を離すのが不安で、強いて連れて行くことにした
甥は母屋に預けた
何となく、誰かをこの家に一人で残しておくのが不安だった

検査の結果を説明された、この時はオレも一緒に病室に入った
姪は待合室に残したが
医者の説明では、確かに肝臓が少し腫れているようだと言う
しかし血液検査では何も見受けられなかったとも
当時のその時点では、肝炎もなく、しかし急激な発症例からすると、肝吸虫症、肝ジストマ症が考えられると言う
胆管に寄生する寄生虫らしい
即、検査入院を勧められたが、事情を話して明日にしてもらった
今となっては、その判断は後悔している。
家に戻り、明日の入院の用意をしている時、姉はいきなり倒れた
オレは救急車を呼び、甥を母屋に走らせた

義兄が到着したのは、その晩も更けようとしている頃だった。

義兄は既に病院に立ち寄ってきたそうだ
担当医はいなかったが、看護士の話では、便検査が必要との事、便採取は姉が倒れていた間に済ませており、明後日には結果が出るとの事
そして今は命に云々という状態ではなく、比較的落ち着いてるとの事
それを聞いて義兄は取り合えず家に戻ったわけだ
一通り、話が一段落した後、オレはあの神社の事を彼に聞きたくなった
場合が場合だから、オレの思った事をそのまま聞いたならば、こんな時になにをバカな事を、と一喝されるのは分かっていたから、なるべく婉曲に、世間話に織り交ぜて。
それでも不快かとも思ったが、以外にも義兄は話に乗ってきた

以下、義兄の話
あの神社の奥、一般に神の場所とされている所に、井戸があるそうだ
人はその水は飲むことが出来ない、所謂、神の水という事らしい
その井戸の傍で、義兄の同級生、当時、小学五年生くらいだったらしい、が猫を捨てたそうだ
捨てたというよりも、箱に入れて、そこで育てるつもりだったらしい。
その同級生は、仲のよかった義兄に、その事をそっと耳打ちしたらしい
義兄も二、三日の内にはその猫を見に行くつもりだったらしい。

猫に関連する話
その話、当時の地方新聞にも書かれた事なので、あまり詳しくは書けない
ただ、義兄は、その日もその同級生が猫に餌をやりに、あの神社に行くことは知っていたそうだ
だけどその同級生は、その日、家に戻らなかったそうだ
当然、男子行方不明、学校でも朝礼でその話が出たし、新聞にも載った
両親も、いずれは見つかると思うだろう、ずいぶん長い間、その土地に住んでいたらしいけど、やがて諦めたのか、他の土地に引っ越したらしい
で、猫の事だが、箱に入れられた猫は、首が切断された状態で、箱に納まっていたそうだ
もっとも、猫の件は、新聞ネタなのか、クラスの怪談ネタなのかはっきりしないが
だから、義兄に言わせると、あの場所は人が入ってはいけない場所だそうな
そう言われると、余計に入ってみたくなる、オレの性分

ここで、病院の話に出た肝吸虫症について、雑学程度だがも少し書いておきたい
この寄生虫、まずタニシなどの貝に寄生するそうだ、そしてその貝を食べた鯉やフナなどを加熱せずに食べると、人間を宿主として胆管に留まる
潜伏期間は6~8週間位だそうで、発症しても初期の頃は自覚症状が無いことが多いそうだ
但し重度になると死亡するケースもある
日本ではあまり例がない病気だが、韓国から中国、マレーシア、カンボジアと、中央、東南アジア圏によく見られるらしい。
8週間前と言えばオレが来る前の事だが
しかし海外に旅行したとは聞かないし
食べ物にしても、姉は元来、生物はあまり口にしない方で、まして川魚の洗いなどは食べないだろう
子供の頃、父方の実家に行くと、よく鯉濃を出してくれた
交通の便が悪い、山の中の事だったから、せめての滋養、ご馳走だったのだろう。
だが姉は、生臭い、泥臭い、と言ってガンとして食べなかった。

義兄がシャワーを浴びるため、話は一時中断した
浴室に向かう前に二階に上がったようだ
書斎に荷物を置きに行ったのと、今日もオレの部屋で寝ている子供達の様子を見に行ったのだろう

その夜、妙な所からあの人形の出所がわかった
あの人形は、おそらくは、棄てたものではないそうである。
あの人形の所有者は、あの神社のはずだ、と。

義兄はシャワーから戻ると、ビールを出して再び話し始めた
今度はオレが尋ねるというより、彼がオレに畳み掛けるといった感じだ
姪の枕元にあった人形を見た義兄は、まず、あの人形はどうしたのかと聞いた
オレが答えるより早く、彼は、あの人形を見たことがあると言った

子供の失踪というのは、身代金の要求とか、表沙汰になるもの以外にも、けっこうあるそうだ、実数はオレは把握できてはないが。
青年の場合ならば家出、駆け落ちがかなりの割合である
だがそれが比較的低年齢、小学生ぐらいの場合には、親、警察等が先ず考えるのは、事故だ。
義兄の同級生が失踪した当時、まず側にあった井戸が調べられた
神主の立ち合いのもとで。
次に拝殿、社の中だ
同時に、その時同級生が社の奥で猫を飼ってる事を知っていたのは、おそらく義兄だけだったのだろうから、当然、彼も重要な参考人として、警察官と共にその場に同行していた。
その時に見たそうだ、社の中を。

中央に銅鏡のようなものが有って、その前に黄色い稲の穂のようなものがあったそうだ
そして、そのさらに奥、左手に一段低い台、というか棚の様ものがあったそうだ
その棚に、20体ばかりの人形が飾ってあったそうである
顔の造りはまちまちで、中には御河童頭の男の子の人形もある
しかし何れも着物を着ていて、今にして思えば、何となくだか、昭和の初期か大正くらいのものではなかったか、そう言っていた
確かにあの人形も、オレの祖母の家あったものと同じ、大正時代か昭和の初期の作、顔は少し扁平だか、何やら気品のある顔立ちだ
作りも今の人形より精巧なような気がする
勿論、オレはその辺りのことは素人なのだか。
後で知った事だが、人形というのは、着物をめくると、腹の部分に、その作者の名前が書いてある事が多いそうな
それを知っていれば、あるいは何かの手掛かりにはなったかも知れない

義兄の話に戻す
あの人形、顔の作りも、着物の柄も、あの時、棚の一番上の、端にあった人形によくにてると。

義兄の年齢から考えると、当時の件は昭和の40年代も半ばの頃だろう
当時の日本の農村には、まだ肥壷なんてものが当然あった
あれ、深さが二メートル近くあって、けっこう深いんだ
大抵は、木の蓋がしてあるのだが、中には蓋もして無く、表面がカパカパに乾いていて、まわりの地面と区別がつかなかったりする
だから、神社からその子の家までの経路、そんな所にも捜査が加えられた
しかし、その子の行方は杳として知れなかった

よく憶えてくれていたと思う、当時の事を
一因として、義兄は、オレと同じメモ魔だったから
一方は、それを武器にして出世したが、また一方は、それがアダとなり、離婚、退職(オレ様)した
話の本筋とは違う、オレの愚痴。
とまれ、話は人形に戻る
その社の人形を見たとき、神主が大雑把に説明してくれたそうだ
その人形の由来を。

神主の話によると、大正の終わり頃、先代の神主の時に、この村でコレラが流行ったそうである
現代の日本では発生も稀だし、症状も軽くに抑えられるが
当時、村、と呼ばれていたこの地域の医療技術や、衛生観念がどの程度のものだったのか。
体力のある壮健な男女は治癒したそうだが、結果的に幼い子供や老人にかなりの死者が出たそうである。
1ヶ月程で流行は下火となったが、その盛りの時に、先代神主が、疫病、災厄除けを、かの神社に祈願したそうである
村中総出のことで、歩ける村人は皆集まったらしい
その時に、既に亡くなってしまった子供らの人形も供養して神社に納める事になったらしい。
つまりその人形達は、その時に亡くなった、全ての子供らの依代みたいなものかも知れなかった
そんな人形を、姪は持ち出してきたのだ。
結局、その時の原因は井戸からと後になってわかったらしい
どこの家でも井戸に蓋がされ使われなくなり、かわりに脇に祠が建てられた
水質検査をして使用できるようになったのは戦後の事らしい。
その夜、姪の枕元にある人形を見ながら、寝床で考えた
でも、何故将来符なんだ
姪なりの供養の仕方なのか。

翌日、昼近くになって、オレ達は車で病院へ向かった
今日は甥と姪も一緒だ
病室に入っていくと、姉は半身を起こして出迎えてくれた、まず子供達が駆け寄っていく
姉は義兄の顔を見ると、少し驚いた顔をしたが嬉しそうだった
久し振りの親子四人の対面
オレは姉に、入院時の足りないものを聞くと、売店に降りて行った
姉に言われたものを買うと、この売店には本屋もある事に気がついた
少し時間を潰そうと思った。
なる程、病院には子供から老人まで、様々の人が入院している
絵本から盆栽の本まで小さいスペースながら、様々なジャンルがあった。
店内を物色している内に、ふと一冊の小誌に目がいった
おそらく自費出版に近いものだろう
装丁もただ厚紙にタイトルの、○○市郷土民族史、と印刷されただけのものだった、著者の欄には○○会とあった
その本を持ってレジに向かった。
病室に戻ると、姉に売店の袋を渡し、いくつかの会話の後、あとは義兄にまかす事にして、オレは病室を出た。
今日はこれから、昨夜聞いた、神社の奥の井戸に行くつもりだった、暗くならない内に。

バス停に向かう道々、オレは姉の事を考えた
今日は比較的、楽そうだったが赤い斑紋は増えている気がした
蜘蛛状血管腫と呼ばれているそれは、別名、メデューサの首とも言われている。

車中では、先程買った本を流し読みする。
やはり、昨日聞いたコレラの記述はなかった
市の中では、小さい町だ、あの地域は。
だが、それよりも目を引く記述があった。
天保年間後期、あの地域を、痘瘡、天然痘が襲ったそうだ
最初、災厄は隣の村から来て、あの村に住み着いた
死者の数限りなく、一日に、棺桶が幾つも寺に運ばれる
仕舞には棺が間に合わず、遺体を剥き出しのまま、河原で焼いたそうである
死臭と線香の臭いが混じり合い犬も居なくなったそうだ
同時に、隣村からは閉め出され、村は完全な孤立状態になった

天然痘の不思議なところは、10人の内、4人は病に罹り命を落とす
4人は罹患はするが何とか命は助かる
そして残る二人は、罹患もしないというところがある
生まれつき抗体を持っているのか
その時の詳しい記録は、あの地域で最も古い寺にあると書いてあった
そこまで読んで、オレは思った
あの神社、もしかしてその時に建てられたものじゃないかと。

バスを降りると、オレは荷物をとりに一度姉の家に戻った
ラジオ付きの非常用懐中電灯、五徳ナイフ、オフロードバイク用の革手袋
そして5mと10mの細引き二本、針金とラジオベンチ、タッパーとマグカップ
それがオレのフィールドワークの基本だ

まだ陽は高い、だか少し早足で神社に向かう

夏休みである筈なのに、この神社には大抵、子供は遊んでない
神社の横を通り、さらにその奥、裏手の森に入っていく。
井戸はその中にひっそりとあった
屋根も、釣瓶も桶もない、正に神だけの井戸と言う感じだった。
井戸そのものは、コンクリでも煉瓦でもない、自然石を組み上げたもの
ある程度の時間は経っているだろう、まわりには苔が生えていた
周りは畳6畳ほど開けていて、地面には丸い石が敷き詰められている。
オレはそっと近付いていき、中を覗いてみる
ほんの4、5メートル先で光は届かない
昼間だというのに、森の中は薄暗い
懐中電灯で中を照らしてみる
ずっと下に、あれは水面か、灯りに照らされ反射している
ここで下から、髪を振り乱した女が壁をよじ登ってきたらオレは泡吹いて気を失うだろう
と、どこかの映画のワンシーンを思い浮かべた

その辺りに落ちている石を拾ってみる、頭上に差し上げ真下に落とす、高さ約2m、下に落ちるまで約20フレーム
その石を今度は井戸の中に落としてみる
一、二、三…と数えて約12、3mか、中に入る気はサラサラ無いが
しかしポチャンと音がした、水はある。
井戸の中を覗いている内に、何だか鼻の奥がツンとなった
いわゆるスポットめぐり、をしている時に、たまに起こるオレの習慣、たぶん感傷だったろう
この神社がオレの想像通り、その時建てられたのなら、何の為にこの井戸が掘られたのか
あの時、無事治癒し、何とか命を拾った者も、結果的には村から追われたそうた゛
わずかばかりの食料を与えられ、山の奥に追われたそうだ、つまりは死ね、ということだ
痘痕がのこり、失明する者もいた、醜い姿になった彼らは、再び村に災厄を呼ぶと言ってね
抗体をもち、再び痘瘡に罹ることはない彼らを。
だが、天然痘は完全に世界から駆逐され、文明と技術の恩恵に溺れているオレ達には、彼らの無知を笑う権利はない

帰る時に改めて気がついた、オレが来た左側とは反対に、左側にも誰かが歩いた跡がある
誰が最近この井戸を覗いたのか



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2007.08.27 | | Comments(16) | Trackback(0) | ■怪異

レンタルビデオ店

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

165 :本当にあった怖い名無し:2007/08/13(月) 18:39:07 ID:2TEw4QGb0
そだ、話ついでにも一つ話すね、調子に乗って
これはオレの友達の話
そいつは当時レンタルビデオ店でバイトしていた、夜は一人で留守を任されるくらい店長の信頼もあった
当時はTUTAYAなんてまだなかったから、東京郊外の普通のビデオ店。
それでもまだ大きいほうかな。
その日、深夜二時頃店番をしていると、店の隅に取り付けられている万引き防止のカメラに
その晩は12時頃から黒い影がスッ、スッと横切るんだそうな
友達最初は気にしてなかったそうなんだが、田舎町の深夜の店になんて1時を越せば誰も来ないのよ。
実際その日ももう店の中にはその友達しかいなかった。
おかしいな、と思って棚の間を順ぐりに見て回った、やはり誰もいない。
と、その時店のドアに取り付けられた鈴がカラカラ鳴ったんだそうだ
客かと思いドアの方に行ってみたが誰も入ってきた形跡はない
ドアをあけ通りを見ても誰も歩いていない。
翌日出勤してきた店長に昨夜の顛末を話すと、「オマエもみたか」とのこと
実はそのビデオ店の二階、真上の部屋、去年(その店はできて半年くらいだった)
恋愛がらみで若い女性が自殺しているそうだ
店長曰く「だからオレ、なるべく夜はここにいたくないんだよねー」だって。
その晩も友達は店番を任されたわけだが、夜中の怖いから一緒に店番してくれと
友達から電話があった、残念なことにその夜は何も無かったが、心行くまでエロビデオを堪能した晩だった


2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

ファミレス

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

162 :本当にあった怖い名無し:2007/08/13(月) 16:13:45 ID:2TEw4QGb0
>>161
昔ファミレスでバイトしてたときよる、夜10時くらいかな
ウェイトレスの女の子が誰もいない席に水とお絞を持っていったんだ
オレはその時レジにいたんだけどそのウェイトレス呼んで注意した。
その子キョトンとして、今、お婆さんが座ったじゃない、と言うんだよね
オレはさらに誰も座ってないことを諭すと、その子も後ろを振り向いてエ~ッ
叫んでトレーを落としちゃったのよ
今度は確かにその子も誰も座っていない事を確認した。
念の為トイレも見に行ったが誰も入ってない
オレはレジにいたから誰も入ってきてないし、出ていない事も確認済み

翌日昼夜交代の折、昼の部の連中にその話をしたところ、昨日の昼間、店のまん前の国道で
老婆が車にはねられて死亡したんだそうだ。
遅れて出てきた昨日のウェイトレスにはそな話は黙っていた。
辞められても困るから。



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2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

ネットカフェの怪

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

160 : ◆9cN0WXIgYY :2007/08/13(月) 15:46:14 ID:4x3SFxmrO
聞いた話ですが‥‥
良ければ読んで見て下さい。

【ネットカフェの怪】

この頃、特に気になってることがあります。自分で考えても理解できないんでここに来ました。

都内、深夜にネットカフェで働いてる友達が話してたんですが、ナイトパックってあるじゃないですか?その利用客のことなんですが、ことの発端は、その友達と前に休日に飲み行ったんです。
そん時にそいつと嫌な客について話てたんです。

友達の話は、最近、変な客がたまに来る。で、そいつが印象的なんだということでした。目元まである真っ黒な髪をして会計の時、真っ赤な財布から何故か小銭で支払いをしていく。
で、小銭ってとこが奇妙悪いだろ?ぐらいの感じで話してました。

それから、少し経ち友達から連絡が入って、この前話した客のこと覚えてる?と言われました。
あの、変な客のこと?と聞くと、そうそうあいつ、やっぱすげぇ不気味なんだ、あれから気になってバイト先でも噂になってて、みんなで話してたら毎回同じ部屋使ってるっぽいんだ。
どんだけその部屋好きなんだよ。俺も気味悪いと思って、その部屋が曰く付きなんじゃねぇの?と言ったのを覚えてます。


161 : ◆9cN0WXIgYY :2007/08/13(月) 15:48:15 ID:4x3SFxmrO

それから3、4日経ってまた、友達から連絡がありました。またその客のことで友達はしゃべり始めました。正直、俺の中でその客見たことないし、どうでもよくなってました。
で、友達はあいつ、ヤバい、ヤバい!って入店がどうだなど、化けもんかもしれん、見に来いなどと言ってました。話してることも意味分からなく最初は相づちしか打てませんでした。

最初、リーマンを84という席に案内した覚えがあるそうなんです。で、大体夜の客はナイトパックを利用するらしいんですが、退店時に84の伝票を持って来たのは例の小銭の気味の悪い女だったと、いうんです。

なんかの間違いじゃないのか?と聞くと、その84がそいつがいつも使う部屋で、丁度その日にそこはリーマンか、と思ったと言うんですよ。

じゃあ、その何時間かの間にリーマンが出て、その客が入ったんじゃね?と言うと、バイトのみんなに気味悪い奴の入店時の接客した奴いる?
って聞いても誰も対応してないし、おかしなことに、そこにいたバイト仲間も今まで入店時の接客をしたことが一度もないって言う。

それからすぐレジのダストボックスの84のレシート拾って入店時刻見ると、12時ちょいすぎになってる。リーマンがナイトパック使って間違えて10分ぐらいで出たとはおもえないし、リーマンの入った時間がその時間だと思うともいうんですね。

でも、いつ入れ代わった、リーマンがどうなったのかもわかんないじゃん?84の席を店内巡回中に、ちょくちょく監視してみたら?と言うと、その友達も、う~ん。と悩みながらその電話をきりました。

それから僕の方も気になってしまい、一週間位連絡がないんで、連絡してみたんですが、出ないんです。メールもありません。

こういう曰く付きの噂ありますか?謎の客の話で知ってる方いませんか?


2007.08.27 | | Comments(5) | Trackback(0) | ■怪異

かなりやばいDVD

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

152-153 :本当にあった怖い名無し:2007/08/08(水) 07:39:28 ID:QDt5LifmO
かなりやばいDVD

去年の話、疎遠になってる友達Aから久しぶりにメールがあった。
「かなりヤバイDVDが手に入ったからみにこねぇ?」
この友人って言うのが、ホラーマニアが講じて通販やネットで心霊ものやスナッフなんかを手に入れては見せてくれる奴。

「それじゃ、週末に何人か連れて行くわ」
と返信して、そいつの家に3人で行ったんだ。

「んで、問題のものってどんなの?」
って聞くと、
「監禁してて精神的拷問みたいなものをやってる、とりあえず見てみ」

早速再生すると、家庭用のカメラで撮ったであろう画像と、椅子に縛り付けてある30台前半の男。
何かを見せられている。
それだけ、それがずっと続いてる・・・

俺らは、それが今まで見てきた作り物のスナッフじゃないリアルさに引いてたし、Aが俺らの後ろで目をギラギラさせてたのをやけに覚えている。
15分ほどしてから映像に変化が起き始める。

テレビの中の男は見るのを異常に嫌がっている、必死に見ないようにしている。
抵抗しているはずなのに、いつの間にか男はその何かを凝視し始める。

その目がもう普通の人の目じゃなくなってた。
そのまま男はゲタゲタ笑ったり、罵声を罵ったり、首をフラフラさしてる。
その表情の変化が普通じゃないのよ、4倍速ぐらいのスピードで変わっていく。

後ろのものは普通のスピードで動いてる。でも、その男の首から上が異常なスピードで動いて何かを喋ってる。
最後に撮影者であろう人が、
「自分の名前 わかるか?」
って男に質問をする。
男は、
「アビャ、ヒヒヒ、○川○二」
って答えてたが、声と口がまったく合ってなかった。

撮影者「あ~、こいつもうだめだ」

これでDVD終了。
DVDを見終わって、正直俺らは具合が悪くなっていた。

Aは嬉しそうに早口で説明を言ってるが、正直聞きたくない。
もう見たくなかったから、3人で目で合図してそのまま帰る事に。
帰りの車の中で連れが、
「Aが必死で説明入れてたとき、口の動きおかしくなかった?あのビデオみたいな・・」
Aはそのまま行方不明、2ヶ月ぐらいして全裸で自殺してた。
あれを見た俺らも、自分が壊れるんじゃないかって思うようになってきた。


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■都市伝説・噂

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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138-139 :本当にあった怖い名無し:2007/08/07(火) 15:39:25 ID:EoxbGDkS0
実体験です

僕がまだ中1くらいのときでした
僕の部屋にはテレビがなかったので、母の寝室でテレビを見ていました
その日はクラブの練習試合があったりして疲れていたのか
いつのまにか僕は深い眠りについていました
しばらくして母が部屋に入ってきて僕を起こそうとしましたが全然起きようとしないので
そのまま僕を寝かせて母もその部屋で寝たそうです
いつもなら僕は自分の部屋のベットで寝ていました
ただその自分の部屋というのは兄との共同の部屋で、僕と兄のベットが2つあって
それぞれ別に寝ていました(ベットの距離は少し離れている)
朝になり母が目覚ましで起きたのでので僕も一緒に起きました
二人でリビングに行くとテーブルの上に新聞がありました
昨日の新聞だろう、そう思い新聞をどけて朝食をとっていると母が
新聞がまだきていないと言うのです
さっきの新聞をみてみると、それは今日のものでした
玄関も勝手口もカギがかかったままで「気味が悪いなぁ」と思っていると
兄も起きてリビングに来て僕にこう言いました
「お前、静かに寝ろ。うるさくて仕方がなかった」

兄の話によると寝ていると深夜の2時頃に誰か(当然兄は僕だと思った)が僕のベットに入って
ガサガサと音をたてながら何かをしていたそうです
しばらくすると静かになったそうですが
それを聞いて僕はすぐに自分のベットを見に行きました
布団が少し荒れていた
僕はずっと母の部屋で寝ていたし母も違うと言います
いったい誰が・・・・
‘何か’が寝かせてもらったお礼に新聞をとっておいてくれたのでしょうか
それ以来特にかわった事はありません

少し長くなりました


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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127,129- :本当にあった怖い名無し:2007/08/07(火) 04:31:34 ID:zZm4lToC0
普段付き合いのいい同僚が、何故か海へ行くのだけは頑として断る。
訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。
ここからは彼の語り。ただし、酔って取り留めのない話だったので、俺が整理してる。

まだ学生だった頃、友人と旅に出た。たしか後期試験の後だったから、真冬だな。
旅とは言っても、友人の愛犬と一緒にバンに乗って当てもなく走っていくだけの気楽なもんだ。
何日目だったか、ある海辺の寒村に差し掛かったころ既に日は暮れてしまっていた。
山が海に迫って、その合間にかろうじてへばり付いている様な小さな集落だ。
困ったことにガソリンの残量が心もとなくなっていた。
海岸沿いの一本道を走りながらGSを探すとすぐに見つかったのだが、店はすでに閉まっている。
とりあえず裏手に回ってみた。
玄関の庇から、大きな笊がぶら下がっている。
出入りに邪魔だな、と思いながらそれを掻き分けて呼び鈴を鳴らしてみた。

「すんませーん。ガソリン入れてもらえませんかー?」
わずかに人の気配がしたが、返事はない。
「シカトされとんのかね」
「なんかムカつくわ。もう一度押してみいや」
「すんませーん!」
しつこく呼びかけると玄関の灯りが点き、ガラス戸の向こうに人影が現れた。
「誰や?」
「ガソリン欲しいん…」
「今日は休みや」
オレが言い終える前に、苛立ったような声が返ってくる。
「いや、まぁそこを何とか…」
「あかん。今日はもう開けられん」
取り付く島もなかった。諦めて車に戻る。
「これだから田舎はアカン」
「しゃーないな。今日はここで寝よ。当てつけに明日の朝一でガス入れてこうや」
車を止められそうな所を探して集落をウロウロすると、GSだけでなく全ての商店や民家が門を閉ざしていることに気付いた。
よく見ると、どの家も軒先に籠や笊をぶら下げている

「なんかの祭やろか?」
「それにしちゃ静かやな」
「風が強くてたまらん。お、あそこに止められんで」
そこは山腹の小さな神社から海に向かって真っ直ぐに伸びる石段の根元だった。
小さな駐車場だが、垣根があって海風がしのげそうだ。
鳥居の陰に車を止めると、辺りはもう真っ暗でやることもない。
オレたちはブツブツ言いながら、運転席で毛布に包まって眠りについた。

何時間経ったのか、犬の唸り声で目を覚ましたオレは、辺りの強烈な生臭さに気付いた。
犬は海の方に向かって牙を剥き出して唸り続けている。
普段は大人しい奴なのだが、いくら宥めても一向に落ち着こうとしない。
友人も起き出して闇の先に目を凝らした。
月明りに照らされた海は、先ほどまでとは違って、気味が悪いくらい凪いでいた。
コンクリートの殺風景な岸壁の縁に蠢くものが見える。
「なんや、アレ」
友人が掠れた声で囁いた。
「わからん」
それは最初、海から這い出してくる太いパイプか丸太のように見えた。

蛇のようにのたうちながらゆっくりと陸に上がっているようだったが、不思議なことに音はしなかった。
と言うより、そいつの体はモワモワとした黒い煙の塊のように見えたし、実体があったのかどうかも分からない。
その代わり、ウウ…というか、ウォォ…というか、形容し難い耳鳴りがずっと続いていた。そして先ほどからの生臭さは、吐き気を催すほどに酷くなっていた。
そいつの先端は海岸沿いの道を横切って向かいの家にまで到達しているのだが、もう一方はまだ海の中に消えている。
民家の軒先を覗き込むようにしているその先端には、はっきりとは見えなかったが明らかに顔のようなものがあった。
オレも友人もそんなに臆病な方ではなかったつもりだが、そいつの姿は、もう何と言うか「禍々しい」という言葉そのもので、一目見たときから体が強張って動かなかった。心臓を鷲掴みにされるってのは、ああいう感覚なんだろうな。
そいつは、軒に吊るした笊をジッと見つめている風だったが、やがてゆっくりと動き出して次の家へ向かった。
「おい、車出せっ」
友人の震える声で、ハッと我に返った。

エンジン音が鳴り響いた。
そいつがゆっくりとこちらを振り向きかける。
(ヤバイっ)
何だか分からないが、目を合わせちゃいけない、と直感的に思った。
前だけを見つめ、アクセルを思い切り踏み込んで車を急発進させる。
後部座席で狂ったように吠え始めた犬が、「ヒュッ…」と喘息のような声を上げてドサリと倒れる気配がした。
「太郎っ!」
思わず振り返った友人が「ひぃっ」と息を呑んだまま固まった。
「阿呆っ!振り向くなっ!」
オレはもう無我夢中で友人の肩を掴んで前方に引き戻した。
向き直った友人の顔はくしゃくしゃに引き攣って、目の焦点が完全に飛んでいた。
恥ずかしい話だが、オレは得体の知れない恐怖に泣き叫びながらアクセルを踏み続けた。

それから、もと来た道をガス欠になるまで走り続けて峠を越えると、まんじりともせずに朝を迎えたのだが、友人は殆ど意識が混濁したまま近くの病院に入院し、一週間ほど高熱で寝込んだ。
回復した後も、その事について触れると激しく情緒不安定になってしまうので、振り返った彼が何を見たのか聞けず終いのまま、卒業してからは疎遠になってしまった。
犬の方は、激しく錯乱して誰彼かまわず咬みつくと思うと泡を吹いて倒れる繰り返しで、可哀そうだが安楽死させたらしい。
結局アレが何だったのかは分からないし、知りたくもないね。
ともかく、オレは海には近づかないよ。

以上が同僚の話。
昔読んだ柳田國男に、笊や目籠を魔除けに使う風習と、海を見ることを忌む日の話があったのを思い出したが、今手元にないので比較できない。


2007.08.27 | | Comments(6) | Trackback(0) | ■怪異

挨拶

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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111 :本当にあった怖い名無し:2007/08/05(日) 21:25:32 ID:HO7kBBDv0
夏休みに福岡の親戚の医者の家に2週間遊びに行ってたときのこと。

20時ころだったと思うんだけど「ブー」って病院兼自宅のベルがなった。
おじさんが、だれだろう、って言いながら外に見に行くと誰もいない。
戻ってくると、おばさんに
「誰かが挨拶に来たらしい。だれだろう。さびしいねぇ」と一言。
小学生だったんでよくわからなかったけど、先日その話をしたら「かかっていた患者さんが亡くなる際によく挨拶にきたもんだよ」と当たり前のように語っているのを聞いて不思議な感覚になりました。

2007.08.27 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異

カップル

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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21- :今度こそ怖い話:2007/08/01(水) 13:44:33 ID:owL8YKz1O
高2のときの話です。
私は1年生のときのクラスメイトを誘って他県に2泊3日で海キャンプに行く計画をたてました。
一学期の半ばからみんな誘ったのですが結局来たのは15人くらいだったと思います。
キャンプ初日、私達は高速バスに乗りキャンプ場に着きました。
そこはかなり広い所で、普通の海水浴場やキャンプ場等が集まった海浜公園で私達は大きなロッジに泊まることになっていました。

現地には昼過ぎ頃着いたのですがロッジのチェックインが2時か3時だったのでしばらくは荷物を置いて泳ぐことにしました。
そこは日本海で遠浅なので足が届かなくなる辺りからちょっと泳ぐとテトラポットで作られた防波堤まで行けます
数人で防波堤まで行き上に乗って話していると砂浜から監視員がメガフォンでテトラポットに乗っている人!早く降りてください!! と絶叫します。
あまりに怒るのでバカな高校生だった私達は何回も乗ったり降りたりして監視員を怒らせていました。

しばらく海で遊んだ後、いい時間になったので計画の発案者として私ともう1人友人でロッジのカギを借りに行きました。
受付は結構若いお姉さんだったのですが私達を見ると
「あ、さっきテトラポットに乗って怒られてた人たちでしょ?」と言ってきました。
覚えられていたことと話題があることで話やすかったので「見てたんですか?あの人ちょっと怒りすぎじゃない?」と話を膨らませました

「ん~、あそこはね~。」とお姉さんは言いたいけど言ってはいけないことがあるかのような口振りでした。
何かあったのかとしつこく食い下がると特別と言うことでお姉さんは話してくれました。
以下お姉さんの話をまとめたもの

昔は今ほどテトラポットに乗ることに対して厳しくなかった
ある日私達のように泊まりに来ていたカップルがテトラポットに乗っていると高波がきた
男はテトラポットにしがみついたが女は一度波にさらわれ次の波でテトラポットに打ち付けられ流されて死体は上がっていない
噂では打ち付けられた女は半分脳みそが出たような状態で男に 助けて と言いながら流されていった

それ以来そのテトラポットに乗っていて波にさらわれて死ぬ人が増えた。
さらわれなかった人や助かった人で助けてと言う女の声を聞いたり脳みそが出た女を見たと言う人がたくさんいる。
海浜公園としては死亡者が出るのも幽霊まがいの話が広がるのも好ましくないのでテトラポットに乗っている人がいたら厳しく注意してすぐに下ろすことにした。
と言うことでした。

そんな話を聞いてクリアファイルにロッジ使用上の注意事項とロッジが集まっているとこの地図が挟まった物を受け取り注意事項を聞かされ、私達のロッジAー8号の場所を地図で教えてもらいカギを受け取って事務所を出た。
そのキャンプは女の子も来ていたので今の話は怖がる奴もいるかもしれないししばらくは黙っておこうと友人と決めて皆とロッジに行った。
1日目はバーベキュー等をして2日目も夕方まで泳いだ

2日目の夜に外で食べたり飲んだりしながら皆で話していたが暴露大会もネタが尽きてきて怖い話をしようと言うことになった。
結構盛り上がったが怖い話もだんだんネタが尽きてきた
そこで明日には帰るしもういいかと言うことになり私といっしょにカギを借りに行った友人は前日に聞いた話をすることにした。
話が終わった直後に懐中電灯を持った警備員らしき人が来て
「Cー16号ってここですか?」
と聞いてきた。

それを聞いて私は少しドキッとした。
私達の中の1人がクリアファイルの地図を見ながら
「Cー16ならすぐそこ、隣ですよ」
と答えていたがそれを聞いて私は思わず
「そのカップルが泊まってたのCー16らしいんだけど」
と言ってしまった。

別にそれがどうしたと言う話なんだけどそのときはなぜか皆パニックになってロッジに駆け込んだ。
私はお姉さんからカップルが泊まっていたロッジを聞いていたがAとCだから遠いだろうと思い込んで気にしていなかった
しかしロッジの号番号の最初に付いているアルファベットは部屋の大きさを表すもので場所は関係なかった

ロッジに入りしばらくして落ち着きを取り戻してきたころ「でもさっきの警備員なんでCー16の場所なんか聞いてきたんだろ?誰も泊まってないのに」と言いだした。

すると別のやつが「いやいや、泊まってたよ。なんか怖いけどカップルが。昨日からいたじゃん。」と言う。

するとまた別のやつは「泊まってなかったよ。俺まわりに誰もいないから騒げるなって思ったし」と言う。

皆に聞いてみると泊まっているカップルを見た派と誰も泊まってない派は半々くらいだった。
そんな話をしているとまた怯えだした女の子が「あの窓怖い。誰か閉めてきて」と言いだした。
そのロッジにはカーテン、網戸が付いた出入りできるくらいの大きめのガラス窓と網戸だけ付いている木でできた小窓があったのだが小窓はCー16側に付いていた。

大きめの窓は網戸が少し破れていて虫が入りそうだったのでガラス窓もカーテンも閉めていたから小窓まで閉めたら暑すぎると言う奴もいたが閉めてと言った子の怯えが伝染して閉めて派が増えたので全然怖がってなかった奴がしょうがなしに閉めに行った。
そいつは小窓の近くまで行くとバタンと勢いよく小窓を閉めて走って戻って来た。
「カップルいた!なんかベランダで2人でこっち見てる! 電気も付けずに並んで見てる!!」
そんなことを言いだした。

女の子たちはさらに怯えたが男はほとんどお前そんな嘘つくなよと言う雰囲気で2人が小窓を見に行った。
そいつらも小窓をちょっと開けると勢いよく閉めて戻って来た。
見えたらしい。
男は全員見に行ったが私を含めた2人以外は全員カップルが見えた。

泣き出す女の子もいて部屋は異様な雰囲気になり
みんなで小窓と反対側の壁の近くに集まっていた。
これマジでやばくない?
とか話していたら1人が
「なんか音がする」
と言った。

皆静かになると確かに小窓の外の方からズルリズルリと何かを引きずるような音がする。
皆で音から逃げるように壁に張り付いていた。
すると音はロッジを回って私達が張り付いている壁のほうにやってくる。
皆なぜか静かに音から遠い壁際に移動した。

すると音はさらに私達のほうに回ってくる。
ロッジの中を静かに音から逃げ回っていたが音はどうやらロッジのまわりをぐるぐる回っているらしい。
私達はロッジの真ん中に集まりなぜか静かにしていた。
その音は一晩中ロッジのまわりを回っていた。
たまに壁をすごい勢いで2人か3人で叩くような音がした。
女の子は皆しくしく言っていたし男も皆半泣きだった
何時間かたつと音はCー16のほうに帰って行った。
それから少ししてカーテンの隙間から朝日が入ってきたので朝まで音は回っていたようだが音が回っていた間誰も寝なかったし話さなかった

朝日がさしてしばらくして誰かが
「早く帰ろう」
と言った。

その言葉に皆我に返ったかのように急いで荷物をまとめ前日出しっぱなしだった外の片付けもほとんどせずに急いでカギを返した。
出しっぱなしだった懐中電灯やガスコンロは置いて帰った。
親に怒られた。
高速バス乗り場まで行く市バスを待つためのボックスみたいな所でも誰もしゃべらなかった
高速バスに乗ると私はすぐ寝てしまったので皆の様子は知らない

長々と落ちもない話をごめんなさい。
思い出しながら書いてたら思ったより長くなりました。
急いだので誤字、脱字、わかりにくい所があったらごめんなさい
洒落怖とかに投下される話に比べたら全然怖くないと思いますがあの時は本当に怖かったです。
今でも海キャンプは行けないしあれ以来その海に行けなくなったり海自体に行けなくなった子もいます。
初めて2chで長文書いたので誰か読んでくれる人がいたら嬉しいです。


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

菩薩

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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73- :本当にあった怖い名無し:2007/08/03(金) 11:55:24 ID:tT5upOfqO
自分は小さい頃から霊感があるようで、誰もいない方に向かって話す自分を両親は気味悪く思い、お寺へお祓いに度々連れて行かれました。
一度、霊能力者の所へ連れて行かれその人に、「この子は、お亡くなりになった人達と会話が出来るようですね」(6歳ぐらいの時で記憶は曖昧)と言われた。
それからも、通学途中や遊びに行った時に事故で亡くなった人、寂しそうに電柱の影に座り泣いてる子供など見かける事があり、正直見えても気にしないようにしてました。

ある時、高校生になって二回目の夏休みに友人数人と肝だめしに行く事になり、自分は断りきれず行く事になりました。
その場所に着くと、友人はふざけてそこに祀られていた祠の中の菩薩を取り出し、何を思ったのか花火で燃やしてしまったのです。自分は、急いで火を消したのですが菩薩の表面は焦げ、無惨な姿になってました。

しかし、こればかりは修正が効かないので出来るだけ綺麗に拭き取り元の位置に戻し、その場を後にしました。

数日して、祠の近くを通る機会があり気になった自分はまたあの祠を見に行きました。中を見ると菩薩が無くなっていました。多分哀れに思った誰かが作り直しているんだろうとあまり気にもしてませんでした。

肝だめしからちょうど2週間後の晩、部活で帰りが遅くなり自転車で夜道を走っていたらポツンと立つ外灯の下に何かあるのが見え、自分は自転車を止めました。
自分の目を疑いました。あの友人が燃やした菩薩がそこに立っていたのです。恐る恐る近づき手に取ってみると拭き取った後があり、やはりあの菩薩でした。
でも、菩薩があった祠からはだいたい10km離れているのに何故ここにあるのか不思議でなりませんでした。とりあえず菩薩を自転車のカゴに乗せ、家に帰りました。
家に着き友人と連絡を取り携帯で写メを撮った後、近くのコンビニに集まり菩薩を見せました。

友人は自分が祠から持って来たのだろうと自分の話を全く信じませんでした。そして、帰り際に友人はその菩薩を道路に投げたのです。
その瞬間、車が通過し踏まれてしまい腕と首が折れてしまいました。友人はそのまま帰り、自分は菩薩をどうしたらいいか分からず家に持ち帰り接着剤で修正して、気が付いたら寝ていました。

夜中にフッと目が覚めました。電気を付けたまま寝ていたので起き上がろうとしたら机の上から「カリカリ…カリ」と、何かを引っ掻くような音が聞こえ上体を起こし見てみました。
何か動いている。自分はすっと立ち上がり机の上を見ると、菩薩の回りに黒いススが落ちていて、手を見ると両手とも真っ黒でした。自分は恐怖よりも菩薩が何だか辛そうで、焼け焦げた部分だけ取り除き、枕元に置いて眠りました。
朝目が覚め、部活に遅れそうだったので急いで家を出ました。昼には部活も終わり、家に着いて菩薩の事を思い出し部屋に戻るとまるで消えたように菩薩の姿はありませんでした。

結局どこを探しても見つからず、両親に聞いても知りませんでした。

それから二年後、大学に入ってから悲惨な事件は起きました。
菩薩を燃やした友人は鉄工所で働いている最中に、ガスボンベが爆発し上半身に大火傷をして全治3ヶ月の重症でした。
道路に投げてしまった友人はその事故の次の日に、バイクに乗っていて信号無視をした車に横から衝突され、両手を骨折、頭に亀裂骨折をして全治半年の重症でした。

それ以来、友人とは音信不通になり今どこで何をしているのか分かりません。


自分は、見えたりするけど祟りや呪いは信じてはいませんでした。
しかし、この事件を切っ掛けに信じるしかない気がしました。
長文失礼しました。


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

らしきもの

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
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74 :本当にあった怖い名無し:2007/08/03(金) 13:05:30 ID:KfKuYlCa0
幽霊(?)らしきものに、からかわれた事があります。
夏の、丁度今時期の明け方。
やっぱり夢うつつに、もう起床している母と姉の話し声が何となく聞こえます。
「そろそろ起きなくちゃ」とぼんやり思いつつ・・・

突然、ドシッ!と、横になっている肩のあたりに奇妙な重みが。
と同時に、金縛りにあいました。
「あれ?あれ?」と焦る中、どこからともなくクスクスクスクス笑い声が。
それは、私の肩の上から聞こえます。
それは、クスクス笑いながら、私の肩の上に座り、眠っている私の顔を覗き込んできました。
「やばい!絶対目を開けちゃいけない!」
遠くから、相変わらず母と姉の声が聞こえます。一生懸命「たすけて!」と叫ぼうとしますが声が出ません。
目をつぶっていましたが、それの顔が、自分の顔のすぐ近くにあることがわかりました。
なぜなら、息遣いと長い髪が顔にあたる、リアルな感触があったから・・・。
女の子の様でした。当時の私と同じくらいの高校生だと感じました。
その子はしばらく、さも可笑しそうにクスクス笑っていましたが、ふっと気配が消え
と、同時に金縛りも解けました。

今度、耶馬溪と日本人形の話をします。耶馬溪って何かいませんか?
あ、でも自分霊感は一切無いです。

2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

もうすっかり夏ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1185699581/l50

70 :本当にあった怖い名無し:2007/08/03(金) 10:45:52 ID:o1I8aDBrO
新潟県のスキー場でバイトをしてた時の話だけど‥。
そのスキー場は夕方5時に滑走が終了になり、私はその後コースにスキー客が誰もいないかを確認するため、リフトで山頂近くまで昇りました。
麓の従業員にリフト停止の連絡を入れ、最後の見回りを開始する為 私はコースを滑り降りました。
そしてコースの中盤を少し差し掛かった時‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥、‥‥?自分とは違う滑走音が聞こえたような気がして私は止まりました‥‥、耳を澄ますと確かに上の方から聞こえてきます‥‥、
降りて来た時は誰もいなかったのに‥‥と思いその方向に目を向けると物凄い勢いで滑り降りて来る人がいました‥、ハッキリとその人物の全体像が見えた時、私は凍りつきました。
‥‥!!!!!!??
(首から上が無いっ!!!!!!!!!!)
その瞬間、それは私のすぐ脇を凄い勢いで通過し、直後周囲に響き渡るくらいの鈍い音がしました。
(例えるならトタン板の上に漬け物石を落としたような音とでも言いましょうか。)
驚いて振り向きました、が私の後ろにはコースの網が張られてありますが何ともありません、その先は森になっています‥‥、何事も無かったかのように回りは静けさが漂ってました‥‥‥‥。

あのスキーヤーは過去にスキー事故で亡くなった方の亡霊だったのかもしれません。


2007.08.27 | | Comments(1) | Trackback(0) | ■怪異

サッカー

一人暮らしの怖い話… part11
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1187086543/l50

214 :本当にあった怖い名無し:2007/08/26(日) 20:57:17 ID:RQHPsH2P0
深夜に友人2人と小学校(母校)に遊びに行ったときのこと。
グランドで話をしているとポーンポーンとボールを蹴る音がした。
見てみると男の子が一人でサッカーボールをゴールにむかって蹴っている。
「こんな真夜中におかしいな。」ってちょっと気味悪く思っていた。
そしたらその男の子がゴールによじ登ってゴールバーの上に座った。
「おいおい、あぶないぞ」そう言って友人の1人がゴールに近寄っていった。
ゴールまでは50メートルくらいあったんだけど、その友人は10メートルくらいの距離まで近づいたところでUターンして猛ダッシュで走ってきた。
「やべぇ!まじやべぇ!」とか言いながら俺たち2人の手をひっぱって走り続けた。
学校から相当離れたコンビニの前まで来て、俺たち2人はその友人になにがあったかを聞いた。友人は青い顔で言った。
「あの子供、『コロスコロス』ってずっと俺に向かってつぶやいてた・・・・」
「なんだよ、ただの痛いガキじゃねえかよ」俺たちがそう言うと友人は続けた。
「あいつ、ゴールバーの上に座ってたろ?でもな、あれ座ってたんじゃなかった。浮いてたんだ。」


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■都市伝説・噂

助かりたいの?

一人暮らしの怖い話… part11
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1187086543/l50

211-212 :本当にあった怖い名無し:2007/08/26(日) 20:47:27 ID:0CDRoTM6O
スレチかもしれない
でも一応書き込む

体験したのは今日の昼
スーパーで品出しのアルバイト中、見た感じ痴呆気味のおっさんが店に入ってきた
ズボンに手突っ込んだ状態で挙動不審に動いてたもんだから「万引きかぁ?」と思い五秒程おっさんを見る
そしたら目が合いおっさん近付いてきた!∑(;゚Д゚)

オッサン「ねぇ、ねぇねぇねぇ」
おれ「はい、どうしましたか?」
オッサン「(何かモゴモゴ喋ってる)?」
おれ「はい?」
オッサン「(前半聞き取れない)助かりたいの?ww」
おれ「え?」
オッサン「ねぇ、助かりたいの?助かりたいの?助かりたいの?wwwwwww」
おれ「…えーっと」
オッサン「助かりたいの?あのね、だからね、助かっても無駄だよ。努力しても駄目wwww」

おっさん歯殆ど抜けてる所為かモゴモゴしまくってて体揺れてた。しかも超笑顔
また聞き取れ無かったんだけど何か質問してた
とりあえずよくわからんが「はい」って返事。
おれ心の中で涙目

オッサン「ふぅーん、そっかそっかー。頑張ってねwwww」
おれ「あ、ありがとうございます」

おっさんそのまま精肉コーナーの方行っちゃった、
直ぐにもっかいそっちの方見たけどおっさんいなくなってた

おれ自体病気なんて持ってないし、金銭とかで問題は無い
一つあるとするなら鬱病になった親友が最近自殺したいどうこう言い始めてるぐらい


ごめん、オチ無いや


2007.08.27 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■サイコ

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■思ったほど書き込みなかった…(´・ω・`)
■しばらく隔週更新くらいになります。おーぷん2ちゃん超がんばって!


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     聞いた人に何かが起きる、という形式の話に表示しています。
    【グロ】
     生理的な嫌悪感を抱かせるような話に表示しています。


    ■平成18年4月23日開設
    ■平成26年3月26日更新停止(1月29日最終更新)
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