お化け屋敷
実話恐怖体験談 七談目
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307-309 :本当にあった怖い名無し:2007/06/12(火) 13:43:11 ID:rWgBKEhqO
結構、昔の話になるんだけど
俺が某地方都市で就職して一人暮らしし始めた時の話
ギリギリで就職が決まった俺は、就職先のつてで不動産屋を紹介してもらい、
実際に部屋を見に行ったんだ。
現地に着いたら2階建てのまあ、普通のアパートで、その1階が空いてるとの事だった。
正直、俺としては2階のが良かったんだけど。
案内されて部屋に入ると、
まず、6畳位のキッチンで右手側にユニットバス、ガラス戸を挟んだ正面に6畳の居間って造りだった。
まあ、一人暮らしには十分かな、とか考えながら、ユニットバスを覗いてみる事にしたんだ。
覗いてみると、正面にバスタブ、右手側に洋式トイレ、鏡は無かった気がする。
ユニット初めてだった俺は、バスタブに入って、カーテンを何気なく閉めてみたんだが
目に飛び込んで来たのは、
カーテンに飛び散った 血 だ っ た。
こんなドス黒い赤色のシャンプーなんて悪趣味なもんねぇだろ!と思いながら、
不動産屋にパスを伝えたんだが、
「今、紹介できるのはここしかありません。」
との事。
だったらわざわざ見に来る必要ねーだろ、と思いつつ、契約する事に。
これが、転勤で引っ越すまでの5ヵ月間で数多くの不思議現象を体験させてくれた部屋との馴れ初めなんだが、その話はまた後日。
315 :本当にあった怖い名無し:2007/06/12(火) 20:16:53 ID:rWgBKEhqO
307です。
ここからは時間の流れではなく、要点のみをまとめて書いていきます。
【同居人】
結局、その部屋に住む事になり、引っ越しの荷物を片付ける間もなく、
社会人としての生活が始まった。
ほぼ毎日の残業と、初めての土地にも慣れてきた頃、それは大きな音と共に起こった。
「ガシャン」
居間でくつろいでいると、風呂場の方で何かが落ちる音が聞こえた。
カーテンの事もあり、少し陰鬱な気持ちのまま、風呂場のドアを開ける。
ユニットバスの中に置いていた、シャンプーや歯ブラシ、ご丁寧にコップまで、ありとあらゆる物が床に散乱していた。
居間にいると、誰かが居る気配がする時があったが、歓迎されてないんだろうか。
316 :本当にあった怖い名無し:2007/06/12(火) 20:30:32 ID:rWgBKEhqO
【来訪者】
職場の人間関係にも慣れてきて、ある日、先輩に晩ご飯をご馳走する事になった。
自炊は好きだったし、初めてのお客さんだ。
部屋に案内して、カレーをご馳走したが、何か様子がおかしい。
妙に慌ただしく帰った翌日、その先輩が真面目な顔で俺に言った。
「お前、よくあそこに住んでるな」
話を聞いてみると、玄関に入った途端に嫌な感じがして気分が悪くなったらしい。
それを横で聞いていた上司が一言
「〇〇の家はお化け屋敷だな」
あ ん た が不動産屋紹介したんだ!
318 :本当にあった怖い名無し:2007/06/12(火) 20:53:46 ID:rWgBKEhqO
【エアコンいらず】
住めば都とは良く言ったもので、3ヶ月も経った頃には、この部屋にも大分、慣れてきた。
相変わらず、台所の方に誰かの気配を感じる時があるが、
少なくとも悪意があるようには思えなかった。
なにより、7月に入っても、玄関開けたら寒 い ん で す け ど。
考えようによっては冷房いらずで助かるな。
この頃、何度か夜中に寝返りをうとうとした時に金縛りの様な感じになった。
寝起きの悪い俺は、その都度、何か文句を言っていた。
319 :本当にあった怖い名無し:2007/06/12(火) 21:09:55 ID:rWgBKEhqO
【来訪者2】
ある日、いつものように部屋でくつろいでいる時。
「コンコンコン」
玄関のドアを誰かがノックした。
時計を見ると、ちょうど0時を回ったところだ。
なるべく音を立てない様に、玄関に向かう。
「コンコンコン」
誰かが確実に外に居る。
サイトグラスから覗いてみると、見知らぬ女性が立っていた。
だ、誰!?とか考えても心当たりは無い。
その内、
「ごめんなさい…」
とか、涙声で話しかけてきた。
意を決してドアを開けると、悲痛な表情の女がこう言った。
「2階の者ですけど、玄関にトカゲがいて、助けて下さい‥。」
俺ゃ、あ ん た が 怖えよ!
320 :本当にあった怖い名無し:2007/06/12(火) 21:29:06 ID:rWgBKEhqO
【お別れの時】
9月に転勤が決まり、この部屋から引っ越す事になった。
荷物を段ボールに詰め込みながら、使いかけの使い捨てカメラがある事を思い出し、
部屋の中をパシャパシャ撮影してる時、それを見つけた。
居間にある押し入れの仕切りのふすま。
それの上から下まで、小さな子供位のサイズの手のひらの跡が、
ビッシリ残っていた。
下はともかく、上側は2メートル近い高さで子供には間違いなく届かない。
そ も そ も 、入居した時にふすまは張り替えしてたんだが。
この時、引っ越した先でも妙な事が起こるとは予想してなかった
長文、失礼しました。
326 :本当にあった怖い名無し:2007/06/13(水) 00:47:11 ID:Wr1O2fNwO
307です。
この際、書けるだけ書いておこう。
自分の記憶の整理の為にも。
【引っ越し先】
お化けアパートに別れを告げ、今度はマンションの4階に住む事になった。
…が、ここでも予想外の事に出会してしまう。
そのマンションは1階がまるまるうどん屋で、2階がうどん屋の倉庫になっていて、3階から一般の住居になっていたんだ。
引っ越しして何日かして気付いたんだけど、
住人、俺一人だった。
まあ、それは別にいいや、と思いながら部屋の片付けしてたんだけど、
押し入れの上にある天袋?からそれは見つかった。
329 :本当にあった怖い名無し:2007/06/13(水) 01:13:58 ID:Wr1O2fNwO
【相棒】
天井が結構、高めの部屋だったんで、その天袋によじ登る感じで覗き込んだんだけど
目に入ったのは桐でできた一抱え位の箱だった。
イメージ的に棺桶みたいなそれを見つけた時、
「ああ、やっぱりな」と、
まるでそこに何かがある事を知っていたかの様な気持ちになった事を、今でも覚えている。
中には古い着物が入っていた。
不動産屋に連絡し、引き取りに来てもらう事にしたが、いま一つ、不安だ。
住人が俺一人の特権をフル活用して、猫を飼う事にする。
貰い手を探している人があっさり見つかり、虎模様の子猫♂をいただいて来た。
お前の名前はハルだ。
よろしくお願いします。
334 :本当にあった怖い名無し:2007/06/13(水) 02:03:39 ID:Wr1O2fNwO
【急展開】
それから何ヶ月かは平安な毎日が続いた。
御守り替わりの猫の効果は絶大だった。
ある夜までは。
11月だったと思う、ある日の事。
その日は霧みたいな雨が降っていた。
仕事中、道に迷った俺は少し焦りながら車を運動してたんだ。
地図持ってくれば良かったかな~とか考えながら、少し荒れた道に入った時。
全身に今まで体験した事の無い位に鳥肌が立った。
俺はいつの間にか、廃寺に迷い込んでいた。
理由は分からないけど、ここに居たらマズい。早く引き返せ。
脂汗までかきながら、そこから逃げだした。
逃げだした筈なのに、まだ終わっていない予感がしてた。
…そして、その予感は的中する事になる。
340-352 :本当にあった怖い名無し:2007/06/13(水) 02:34:55 ID:Wr1O2fNwO
>>336
すまん。
【砂】
寺に迷い込んでからしばらくは、特に何事も起こらなかった。
と、言うか、学生の頃の友達の結婚式に出たり、
色々、用事が重なって家に居ない日が続けていた。
猫は戴いた方に預けさせてもらっていた。
何日かぶりに部屋に戻った時、ベッドの上に腰かけると、手に違和感を感じた。
砂だ。
その時は荷物か服にでも付いてきたんだろう、位にしか考えて無かった。
寺の事も忘れていた。
その日は疲れていた事もあり、そのまま眠った。
猫を引き取りに行かないと。
次の日、さっそくの残業で帰る時間が遅くなり、
猫はしばらく預かってもらう事にする。
コンビニで適当に晩飯を買い込み帰宅。
ベッドに腰かけると、また、手に砂が付いた。
昨日、掃除したはずなのに。
体をゴソゴソ調べてみるが、どこにも砂は付いていない。
結局、理由は分からないまま、晩飯を済ませ、テレビを見る。
突然、鳥肌が立った。
玄関のドアを挟んだ向こう側に何か、恐ろしい物が居る。
あの寺で感じた怖さと同じ気配だった。
絶対に開けてはいけない。
その日はそのまま眠る事はできなかった。
ただひたすら夜が明ける事を待ち続ける事しか出来ない。
夜が明けた頃、会社の同僚に迎えに来てもらう様に電話する。
しばらくして、同僚からマンションの駐車場に着いたとの連絡があり、
玄関を開けて血の気が引いた。
俺の部屋の玄関先にだけ砂が散らばっていた。
昨日、帰った時には無かった筈だ。
気のせいだと思う事にした。
確か、怖がっていると、余計に妙な物を引きつける様になる。
とか聞いた事がある様な気がする。
今度来たらボコボコにしてやろうと誓った。
カラ元気だ。
その夜、予想外に早く、そのチャンスは訪れた。
シャワーを浴びている途中、例の異常な位の圧迫感を感じた。
ボコボコする余裕は無かった。
逃げる様に風呂場から飛び出した時、
俺の体に異変が起きた。
呼吸が出来なくなり、立っている事すら出来ない。
這う様にして、なんとかベッドに倒れ込んだ。
ドアノブの回っている音が聞こえていた。
354 :本当にあった怖い名無し:2007/06/13(水) 03:37:00 ID:Wr1O2fNwO
【生還】
その後、なんだか分からないが、生き延びる事ができた朝。
引っ越しする事を決意した。
ひと気のある所に住もう。
いざとなったら助けを呼べる所がいい。
あの寺と砂の関係は未だに分からずじまいだが、調べようとも思わない。
後談になるが、その町に住んでいた俺の知り合いが、20代の若さで突然死した。
朝、家族が起こしに行った時には冷たくなっていたらしい。
砂があったかどうかは聞いていない。
2007.06.25 | | Comments(0) | Trackback(0) | ■怪異
