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開かずの間

もうすっかり秋ですね、ではとっておきの怖い話を
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1189527699/

124 :本当にあった怖い名無し:2007/09/23(日) 09:56:42 ID:4bg1RNYI0
人は、いったい幾つ位からの記憶を携えているのだろう。
オカルトとか幽霊とかが好きで、そんな事どもの本を読んだり、調べていたりする。
そんな折り、時々、妙な既視感、というか、心に引っかかるモノを感じる。
まだ、小学校も低学年だったと思う。
今から思えば不思議な光景だったろう、十畳ぐらいの、当時のオレにしてみれば大きな座敷に、母と、オレが座っている。
そして、その前に何やら巫女さんののような格好をした、母と同年齢位の女の人が座っていた。
表向き、オレの耳を治す為だという。
オレの左耳は生まれつき鼓膜が半分しかなく、加えて川で溺れた事で殆ど聴力を失っていた。
母はそれを確かに苦にしていた。
だが、今のオレにはわかる、それは臀部等の皮膚の表皮を剥ぎ取り、耳に移植するという外科的な手術でしか回復は見込めない。
当時でも母には、それは充分に解っていたはずだ。
目の前に座っている女性は、オレの身体に、頭に両手をかざす。
そして、何か感じますか、と問う。
何も感じない。強いて言えば髪の毛に微かに触れる手のひらか、或いは静電気か。
ただ、その部屋に入った時からずっと耳鳴りがしていた、痛いくらいに。
当時のオレは聴こえよりも、度々起こる左耳のアノ疼くような痛みに悩まされていた。
朝でも、夜中でもお構い無しにやってくる、蟻の行進のような音と共にくる痛み。
このおばさんの超能力で、それも治るんだ、そんな気持ちでいたのではないだろうか。学校が終わると毎日この家に行った。
だが一向に痛みは消えない、オレは相変わらず周りの音を拾おうと、右の耳を前に突き出した格好で歩いていた。
その頃、霊感という言葉があったのかどうか。
ただ、その人に手相を見られた。
そして、母に向かって何やらしゃべっていた、当時のオレにはその内容はよく理解できなかった。

やがて、母はその家には行かなくなり、今度は灸師の所に通うようになった。


125 :本当にあった怖い名無し:2007/09/23(日) 10:59:22 ID:4bg1RNYI0
首に二箇所、背中に左右三箇所で計六箇所そして足の踝に一箇所ずつ。
これが灸の基本だそうだ。
母は自分でも、そのやり方を教わり、朝と晩にオレに灸を据えた。
何も悪いこともしてないが、オレは毎日、灸を据えられた。
火が皮膚に届く寸前に消し潰すやり方だったが、その後には瘡蓋ができ、膿が下着に張り付いた。
その事に一体、何の意味があるのか、今から思えばオレの病気には何の意味もありはしない。
それは当時の母にもよく解っていたはずだ。
その、灸の先生もオレの手相を見て、母に何か話していた。
母の手相とオレの手相は良く似ているそうだ。
ナントカ線が小指の根元まで突き出ているそうだ。
ただ、オレの手相はそれとは更に違った、ある意味凶相だそうな。
左の手のひらには生命線が二本あり、右の手のひらの生命線は途中で切れている。
むしろ、どの線が何に当たるのかよく解らないと。
言っておくが、現在のオレも、当時の母も、そういう迷信、伝説の類で物事を判断するタイプではない。
だが、当時、なぜ母はそんな事に気を煩わせねばならなならなかったろう。
他に目を向けなければならなかった事があったはずだ。
何故なら、四つ下のオレの妹も、生まれつき足の関節が外れていた。
歩けなかった、確かに毎日、妹を背負って、オレの手を引いて病院に通ってはいた。
母の背中で、ブラブラと揺れる妹の足が妙に印象的だった。
耳は二つあるから、片方が聴こえればナントカなる、見た目も普通だし。
だが、足はそうもいかない。


126 :本当にあった怖い名無し:2007/09/23(日) 11:00:59 ID:4bg1RNYI0
後年、幼い頃の記憶を辿り、母と父の話の端々を繋ぎ合わせてようやくわかった。
オレは、幼い頃、毎年夏になると父の郷里に行っていた。
両親と、姉とオレとで。
その頃妹は既に生まれていたはずだが、妹と一緒に田舎に行った記憶がどうにもない。
両親は一泊か二泊して帰って、オレだけが一月ばかりをそこで過ごす。
姉も田舎の空気が合わないのか、いつも両親と共に帰る。
わかりやすく言えば、僕んちの夏休み、ってところだ。
川で泳いで、畑で取れたスイカを食って。
その家、本家に次ぐ大きな家だった。
オレの父親は、農家の七人兄弟の下から二番目(正確に言えば父のすぐ上に早世した姉がいた)
オレが遊びに行っていてのは、その次男がかまえる家だった。


131 :本当にあった怖い名無し:2007/09/23(日) 16:15:54 ID:N7mSUW07O
その家、元々はその場所にはなく、川の近くに建っていた。
川というのは観光地にもなっている大きな川の支流にあたる。
しかし、支流とは言っても、川幅も広く、流れも早い。
長雨の時などは荒れる。
出水し、氾濫する。
それで戦後、もう少し山側に家を写した。
昔は地方豪族か、江戸になり世上が安定してからは庄屋階級でもあったか。
本家とは、どのような役割分担をして、その土地を治めていたのか。
そもそも何で、荒れる川とわかっているのに、あそこに家を構えたのか。また後に移したのか。
父の話によれば、本家にもあの家にも床柱には、ザクリとかなり深く切り込んだ刀傷があったそうである。
実際、両家の蔵には、戦前まで刀が幾振りも、そして鎧を納めた長櫃がいくつかあったそうである。
しかし、戦時の鉄不足の際、それらは皆、徴収されてしまったそうだ。

それよりも、両家にはそれぞれ、所謂、開かずの間というものがあった。
家を移動する際、建て替えというよりも、元の家の使える材はそのまま利用する、移築というやつっだ。
床柱も、開かずの間の戸も殆どそのまま利用された。
床柱は、傷のある上部を下にした、逆さ柱にして使われた。


133 :本当にあった怖い名無し:2007/09/23(日) 17:55:40 ID:N7mSUW07O
日光東照宮のような例を除き、逆さ柱というのは、造る方からも、住む者からも嫌われる。
屋根が持ち上がる、縁起が悪い。
そんな家でオレは毎年の夏を過ごした。
元の家を移築したものだから、梁も柱も黒く飴色に光っている。
藁葺きだから、天井板はない。
門を入り戸を開けると土間があり、上がると囲炉裏がある、今で言う居間みたいなものかな。
その左手、庭に面した縁側を行き幾部屋かを過ぎると、突き当たりを右。
曲がったすぐ左側にセッチン、便所がある。
その先は壁、その手前すぐ右側にその扉はあった。
開かずの間まで移築した。
父はその部屋の事はあまり知らなかった。
幾年目かの夏に、オレは祖父に聞いてみた。
あの部屋には、なんで入ってはいけないのかを。
意外にも、祖父はあっさり答えてくれた。
但し訛りがかなりきついので、子供のオレにはどこまで理解できたのか。
つまり、あの部屋はこの家の最後の砦だと、今まで、あの部屋でたくさんの人が死んだのだと。


2007.09.24 | | Comments(2) | Trackback(0) | ■怪異

コメント

  1. ・・・で、耳の件は?

    2010-03-11 木 16:37:26 | URL | 匿名希望 #- [ 編集]

  2. 耳の件w

    思ったwww

    2010-08-11 水 00:01:56 | URL | 匿名希望 #- [ 編集]

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